【分野】磁気応用

【タイトル】世界初の心磁場のリアルタイム計測

【出典】
TDKプレスリリース2019年3月13日
URL:https://www.tdk.co.jp/corp/ja/news_center/press/20190313_01.htm
TDKウェブサイト
URL:https://product.tdk.com/info/ja/techlibrary/developing/bio-sensor/index.html

【概要】TDKは東京医科歯科大学と共同で、世界初の心磁場のリアルタイムを可能にする磁気抵抗センサを開発した。

【本文】心筋の活動によって体表面でpTレベルの微小な磁場(心磁場)が発生するが、これを高感度な磁気センサで計測すれば、心臓疾患の検査など医療応用が可能になる。心臓活動の検査には心電図が広く用いられるが、人体の電気伝導率は不均一であるため、心電図での心筋活動同定の分解能には限界がある。一方、人体の透磁率は一定であり、心磁場の計測(心磁図)によって心臓活動を高分解能に空間的に計測できる。同様のことが脳磁場にもあてはまる。現状では、磁気シールドルーム内で超伝導量子干渉素子(SQUID)を用いて心磁場および脳磁場を測定しているが、SQUID心磁計・脳磁計は大型で高価であり、液体ヘリウムによる冷却を必要とし、多額のランニングコストを要するため、広く医療診断に普及することは困難である。そのため、SQUIDに代わる、磁気抵抗センサ、光ポンピング原子磁気センサ、ダイヤモンド中の窒素-空孔中心(NVセンター)を用いた磁気センサを用いた生体磁気計測の研究開発が活発におこなわれている。
TDKは東京医科歯科大学と共同で、磁気抵抗素子を用いたセンサアレイにより、心磁場のリアルタイム可視化に成功したとプレスリリースした。その「磁気抵抗素子」が、巨大磁気抵抗なのかトンネル磁気抵抗なのかは明らかにされていない。今回、磁気抵抗センサの高感度により、従来のような積算なしで心磁場をリアルタイムで可視化できるようになったことで、現実の医療への応用が現実的になったと言えるだろう。心磁場や生体磁気センサについては上記のTDKウェブサイトに詳細な説明があるので参照されたい。

(物質・材料研究機構 中谷友也)