強磁場応用専門研究会

近年、超伝導技術の進展により10Tを超える強磁場が容易に得られるようになったことで、従来とは異なる様々な分野に磁場利用が普及し、これによって、様々な新しい磁気と磁場の応用が生まれてきています。本専門研究会は、このような分野の研究者の集まる日本磁気科学会と連携し、強磁場利用に関する話題を広く議論し、以って、相互の学会が有する技術と知見を共有することで、磁性・磁場利用の研究の更なる発展を目指すものです。

強磁場の利用によって、従来の磁性材料のみならず、反磁性・常磁性の物質に対しても磁気的な影響を与えることができるようになり、高分子やセラミックス、生体材料など、各種材料のプロセス制御や、自己組織的構造形成、物質分離、分析、医療応用などへの適用が検討されています。磁場の利用は、非接触で物質内部まで均一に効果を与えることができるなどの特徴から、これまで磁場利用がなされてこなかった諸分野で新規の手法として脚光を浴びています。新規現象・応用とはいえ、それらの機構は、従来の磁性材料研究における現象の原理と共通しており、低磁場+磁性材料で実現していたものが、強磁場+弱磁性材料でも達成できるようになった、という関係にあります。したがって、両学会の知見を総合すれば、効率よく種々の応用が見出されると期待されます。

本専門研究会は、産官学の第一線で研究開発を担っている研究者が、上記の新しい強磁場利用に関して、自由闊達に議論するものであり、その活動は我が国のみならず世界の学術の進歩に貢献するものと考えます。

2024年度の開催予定

日時 場所 テーマ 世話人
第74回 2024年9月10日
13:30-15:00
大阪大学 大学院工学研究科(ハイブリッド開催) 経時変化する磁場中における磁性粒子サスペンションの発熱効果 秋山(阪大)
諏訪(阪大)
池添(日工大)
廣田(物材機構)
第73回 2024年7月29日
13:30-15:00
大阪大学 大学院工学研究科(ハイブリッド開催) 磁気配向と磁気分離 − その考え方 秋山(阪大)
諏訪(阪大)
池添(日工大)
廣田(物材機構)
第72回 2024年6月3日
13:00-17:20
連合会館(ハイブリッド開催) 電解質溶液への電磁流体力学効果とその応用 廣田(物材機構)
諏訪(阪大)