バルク軟磁性材料専門研究会

軟磁性材料は様々な分野で広く社会実装されており、情報通信、電動機、電力変換などを通じて現代社会を支える基盤材料の一つである。一方で、軟磁性材料の研究は、かつて我が国の磁気研究における主要課題の一つであったが、現在はスピントロニクスやセンサー応用での薄膜軟磁性研究を除けば、あまり活発ではない時期が長く続き、社会的な需要の高さと相反して基礎研究の停滞が続いていた。そのような状況の中、近年の電動化モビリティーやパワーエレクトロニクス(パワエレ)における軟磁性材料の性能向上への要求の高まりを受け、再び軟磁性材料の研究開発の重要さが再認識され始めている。重要な点は、多くの社会実装されている軟磁性材料はバルク材料であり、薄膜研究とは異なるバルクならでは課題や特徴が多数ある。また、社会実装に向けては電気工学や材料工学などの広範な異分野連携が必要となる。これらバルク軟磁性材料の社会実装向けた課題を議論し、異分野連携の研究活動を推進する場として、バルク軟磁性材料専門研究会の設置を申請するものとする。
日本磁気学会で本研究会を立ち上げる意義として、本学会では磁気の基礎に基づいた議論が出来る点と磁気物性に精通した多くの研究者がおり、これはまさに本学会の資産とも言える部分である。特にスピントロニクス分野における薄膜軟磁性研究では、この20年余りの間に磁壁ダイナミクスや磁気物性理解などに大変大きな進展があった。本学会の前身である応用磁気学会の設立理念は、「理学,工学の両分野を両輪に,物理,電気,電子,化学,生物,医学,薬学,歯学など分野の異なる研究者が集い、、、」とあるが、まさに磁気物性の深い理解に基づいて、電気工学や材料工学をはじめとする関連分野の研究者が集い、分野横断的な研究としてのバルク軟磁性材料研究を進展させる場となることを期待する。

2025年度の開催予定

決定次第、掲載いたします。