分野:
ハード磁性材料
タイトル:
ナノ構造材料と磁性の国際シンポジウム(NMM2008)沖縄で開催、ハード磁性材料も活発な討議
出典:
International Workshop on Nano-structured Materials and Magnetics, Okinawa, 2008, Abstracts, University of Ryukyus, Feb. 10-11, 2008)
 
 
概要:
 2月10日~11日に、琉球大学にて、日本学術振興会、学振147委員会、(社)電気学会などの共催で、International Workshop on Nano-structured Materials & Magnetics 2008 (NMM2008)が開催され、日本、韓国、台湾、ロシアなど各国の研究者が集い、スピントロニクス、光磁気、磁気計測、磁性材料、ナノ構造などの分野で、オーラル14件(内、招待講演11件),ポスター16件の研究成果が発表された。ハード磁性材料以外でも磁気うず(magnetic vortex)の運動制御に関する発表など、多くの興味深い発表がなされた。また、適切な規模のワークショップで、休憩時間も個々の討議が活発に行われた。
 
 
本文:
 Lee(Changwon National Univ)らは、1Tb/inch2級の磁気記録媒体を視野に入れた、L10型FePt薄膜の結晶粒微細化を目的として、FePtへの添加元素を検討し、SbやB,Cuの添加により、FePtの規則化温度より200℃低い、400℃で規則化させることができること、Sb添加の場合、FePtの粒界にSbが偏析していることを示した。より低温での規則化が実現することで、従来よりも微細な結晶粒が実現できると期待される。

 Nishiuchi(Hitachi Metals)らは、Nd-Fe-B系合金の水素吸脱に伴う不均化・再結合(HDDR)反応で生成したサブミクロン結晶粒径に着目した高保磁力材料への適用を視野に入れ、HDDRプロセスの脱水素再結合過程における組織変化と保磁力の関係について種々の手法を駆使して解析を行った結果、HDDR磁粉においても、焼結磁石と同様のNdリッチ粒界相が形成され、これが保磁力の発現に寄与していると説明した。

 Nakano(Nagawaki Univ)らは、高速PLD法によるNd-Fe-B系厚膜磁石作製における基板の影響を調査するため、種々の基板への成膜を試みた結果、Nd-Fe-B膜の異方性の向きが、基板の種類によって異なり、Ta・Mo・Ti基板を用いると膜面に垂直に異方性が付与されるのに対し、W・Zr・SiO2を用いた場合には、膜の面内に異方性が付与されることを示した。

 Matsuura(Tohoku Univ)らは、ポスター発表で、Nd-Fe-B焼結磁石の保磁力発現メカニズムの解析のためのモデル材料となるNd2Fe14B/Ndスパッタ膜を得ることを目的として、下地Ta膜の膜厚やスパッタ条件がNd2Fe14B膜の配向や保磁力に与える影響を調査した結果を述べ、スパッタ時の雰囲気圧力が膜の配向や保磁力に大きな影響を与えると説明した。

(日立金属株式会社 磁性材料研究所 西内武司)