「エレクトロニクス実装技術における高周波磁気応用の新展開」

日時:2007年12月6日(木) 13:00~18:00
場所:化学会館5階501会議室
参加者:49名

 ブロードバンド情報通信ネットワークの発展やICT機器の小型高機能化は、時代の求める継続的な要求であり、その実現には高度なエレクトロニクス実装技術が重要な役割を果たしている。このため、高周波磁性材料開発ならびに磁気応用技術とデバイス・部品設計開発は不可分の関係にある。今回の研究会では磁気研究者とエレクトロニクス実装技術者が一堂に会して積極的かつ活発な討論がなされたことから、この分野の益々の発展が期待される研究会となった。以下に発表された内容の概要を示す。

講演内容:

  1. 「磁性材料のエレクトロニクス実装への応用」
    山口正洋(東北大)

     著者らが研究開発中である薄膜インダクタや電磁ノイズ抑制体について周囲状況を含めて紹介された。また、メタル膜・磁性膜を用いたLSIパッケージの中における電磁ノイズ抑制技術などについても報告された。
     

  2. 「エレクトロニクス実装における磁性材料の役割」
    原田高志(NEC)

     プリント回路基板内の磁性体の適用、および筺体に適用するための電波吸収体や電磁シールド材への磁性材料を例に電子機器における実装構造と電磁界の関係を示し、磁性材料を用いた有効な電磁干渉抑制手法を紹介した。
     

  3. 「集積化高周波マイクロ磁気デバイスとRF-ICへの応用可能性」
    佐藤敏郎(信州大)

     携帯電話や無線LAN用の高周波(RF)-ICの技術トレンドを受動デバイスの観点から概観するとともに、薄膜インダクタや磁性薄膜方向性結合器などのマイクロ磁気デバイスの施策例を通して、高周波マイクロ磁気デバイスが次世代チップパッケージ高周波IC用集積化デバイスとして大きな可能性を有することを述べた。
     

  4. 「集積回路とパッケージの電源系モデル化技術」
    和田修己、ウンベルト パオレッティ(京都大)、五百旗頭健吾、古賀隆治(岡山大)

     LSI給電系の高周波電磁雑音特製を解析するためのEMC設計マクロモデルについて、その概要と、数100MHz~GHz帯でのわずかな寄生インダクタンスや浮遊容量によるノイズ閉じ込め特性の悪化について述べた。
     

  5. 「フェライトめっき膜を用いた高周波ノイズ対策技術」
    吉田栄吉、近藤幸一、小野裕司(NECトーキン)

     フェライトめっき膜が、UHF帯で大きな透磁率と高い電気抵抗を示すこと、高周波伝導ノイズの抑制に有効な厚さ数ミクロンの膜を常温で直接製膜できるので、半導体集積素子の表面や多層基板の内層に実装でき、有機物を含まないのでリフロー処理にも耐えられること、などが紹介された。
     

  6. 「コモンモード電圧低減実装技術」
    中村 篤(ルネサステクノロジー)、馬淵雄一、大前彩(日立)

     電子機器に接続されたケーブルからの電磁輻射(FM放送帯)低減に、マイコン給電系のデカップリング対策(ノーマルモード)に加え、基盤配線がもつ対地容量やインダクタンスの制御(コモンモード)が有効であること、などが紹介された。
     

(文責:杉本諭(東北大))