10.03(第6回CMDワークショップより)

分野:
磁気物理
タイトル:
コンピュテーショナル・マテリアルズ・デザイン・ワークショップが開催される
概要:
 第6回コンピュテーショナル・マテリアルズ・デザイン(CMD)ワークショップが開催された。物質科学の新しい手法としてのCMDに対応できる基礎能力を参加者に講義と実習を通して身に付けさせる実践教育行われた。
本文:
 
2005年3月8-12日、京都府相楽郡(国際高等研究所、日本原子力研究所関西研究所)にて第6回コンピュテーショナル・マテリアルズ・デザイン(CMD)ワークショップが開催された。(http://www.dyn.ap.eng.osaka-u.ac.jp/CMD6/)
 材料科学・物質科学で取り扱われる物質研究において、これまでの経験的新材料開発手法のみでなく第一原理電子構造計算を組み合わせていくことは材料開発などの研究の効率化を図るに重要と考えられる。しかしながら、いざ初学者者(実験家)がバンド計算などを自力で試みようとしてもその垣根は高いのが実情である。
 これに対し、CMDワークショップは、日本ではめずらしい合宿スクールで、物質科学の新しい手法としてのCMDに対応できる基礎能力を参加者に講義と実習を通して身に付けさせる実践教育を行っている。第一原理電子構造計算に基づきさまざまな計算コードを開発している本人及び研究グループ員がチューターを含め講師に当り、計算科学のおもしろさを熱く講義・指導された。講義及び実習のあった計算コードはOsaka2k、ABCAP、HiLAPW、Machikaneyama、STATE-Senri, NANIWAであった。このほかに先端研究事例の講義では、磁性半導体、有機強磁性体、ナノ構造体機能性材料などの磁性材料のマテリアルデザインや半導体表面の反応などについて多くの話題が紹介された。
 受講者は大学院生や教官、企業や法人における研究者や技術者など幅広く、ワークショップの講義以外にも、会期を通して情報交換し個々の研究に資していた。次回は2005年9月に開催予定とのことである。

(日本原子力研究所 安居院あかね)