202.01

【分野】 磁気応用

【タイトル】ピコテスラ感度を示す室温動作磁気センサ

【出典】
[1] TDKウェブサイト
https://product.tdk.com/ja/techlibrary/developing/bio-sensor/nivio_xmr_sensor.html
[2] Shirai et al. “Magnetocardiography Using a Magnetoresistive Sensor Array” Int. Heart J. 60, 50 (2019). https://doi.org/10.1536/ihj.18-002
[3] S. B. Suko et al. “Magnetic particle imaging using linear magnetization response-driven harmonic signal of magnetoresistive sensor” Appl. Phys. Express 14, 095001 (2021). https://doi.org/10.35848/1882-0786/ac1d63
[4] T. Uchiyama, and J. Ma “Development of pico tesla resolution amorphous wire magneto-impedance sensor for bio-magnetic field measurements” J. Magn. Magn. Mater. 514, 167148 (2020). https://doi.org/10.1016/j.jmmm.2020.167148
[5] M. Oogane et al. “Sub-pT magnetic field detection by tunnel magneto-resistive sensors” Appl. Phys. Express 14, 123002 (2021). https://doi.org/10.35848/1882-0786/ac3809

【概要】近年、磁気抵抗効果および磁気インピーダンス効果を用いてピコテスラ級の感度を示す磁気センサが開発され、SQUIDに代わる生体磁気計測センサ等への応用が期待されている。

【本文】近年、超伝導量子干渉素子磁力計(SQUID)に代わる、室温で動作する超高感磁気センサの開発が盛んにおこなわれている。SQUID代替の目安として、1 pTの感度がマイルストーンであったが、最近、これに肉薄または上回る磁気センサが報告されている。なお、磁気センサの感度(より正確には磁界分解能)としてT/√Hzの単位が用いられるが、これはセンサのノイズを磁界表示したものであり、「磁界換算ノイズ」とも呼ばれる。
TDKは「Nivio xMRセンサ」と呼ばれる超高感度磁気センサを開発した[1]。このセンサは1 Hzで3 pT/√Hzのノイズレベルを示し、センサヘッドの断面積は1.2cm角と小型である。このセンサの多チャンネルアレイを用いて、東京医科歯科大学と共同で心磁界測定に[2]、また横浜国立大学と共同で磁性ナノ粒子のイメージングに成功している[3]。
 名古屋大学の内山らは、アモルファスワイヤを用いた磁気インピーダンス(MI)センサにおいて、peak-to-peak voltage detectorと呼ばれる新規な駆動方式を開発し、1 Hzで1 pT/√Hzを下回るノイズレベルを達成した[4]。これは従来のMIセンサに対し、10倍程度の改善である。このセンサを用いて、心磁界のリアルタイム計測とアルファ波の脳磁界計測が可能であることが示されている。
 東北大学の大兼らは、スピンセンシングファクトリーと共同で、1 Hzで1 pT/√Hz以下のノイズレベルを示すトンネル磁気抵抗(TMR)センサを開発した[5]。彼らは、TMRセンサの軟磁気特性の改善、多数のTMR素子の接続による低周波ノイズの低減、および磁束収束板を用いることで、超高磁界分解能を達成した。このセンサを用いて、頭皮密着型の脳磁界計測が可能であることが示されている(技術情報サービス197号を参照)。

(物質・材料研究機構 中谷友也)

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