37.02

分野:
スピンエレクトロニクス
タイトル:
膜面垂直通電型GMRヘッドの開発に成功(東芝)
出典:
CPP-GMR films with a current-confined-path nano-oxide layer (CCP-NOL)
Fukuzawa, H.;Yuasa, H.;Iwasaki, H.
Toshiba Corp., Corp. R&D Center, Kawasaki, Japan
J. Phys. D, Appl. Phys. (UK) vol.40, no.5 : P.P.1213-20 March 2007
概要:
 東芝は電流狭窄型ナノオキサイドレイヤー(CCP-NOL)を用いた膜面垂直通電型のGMRヘッド(CPP-GMR)の開発に成功した。
本文:
 東芝は電流狭窄型ナノオキサイドレイヤー(CCP-NOL)を用いた膜面垂直通電型のGMRヘッド(CPP-GMR)の開発に成功した(J. Phys. D, 40 (2007) 1213)。磁気記録媒体の高密度化に伴い、従来の膜面内通電型(CIP)-GMRヘッドでは微弱な磁界信号の検知に不十分とされてきた。福澤らは磁界検知層と磁化固定層の間に薄い酸化膜(CCP-NOL)を挿入することにより、磁界感度を向上させることに成功した。Co90Fe10を用いたCPP-GMR膜においては5.4%のMR率向上と500mΩμm2の低抵抗化を実現し、同じくFe50Co50膜においては8.2%のMR率向上と580mΩμm2の低抵抗化を実現した。本素子を用いた磁気記録ヘッドを開発することで、将来の磁気記録媒体の高密度化に十分対応できるものと期待される。 

(高輝度光科学研究センター 小嗣真人)

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