12.04(Second IUPAP International Conference on Women in Physics(IUPAP: International Union of Pure and Applied Physics) 、2005年5月23-25日、ブラジル・リオデジャネイロ)

分野:
パワーマグネティックス
タイトル:
ナノ粒子磁性体の医療工学への応用(IUPAP conferenceから)
概要:
 鉄酸化物は生体内でも生命維持のための重要な機能を担っていることが知られている。近年製作技術の上がっている磁性ナノ粒子を、一種の造影剤として生体内の様子をさぐるイメージング技術に応用する研究開発について、ブラジル・サンパウロ大学のA.L.Brandlらが発表した。
本文:
 ナノ粒子磁性体は幅広い分野への応用が期待されている。そのうち、鉄酸化物は生体中でも生命維持のための重要な役割をしているように、条件を満たせば生体内に取り込まれたときにも安全性が高いことが期待される。実際に、鉄酸化物系の磁性ナノ粒子を一種の造影剤とする試みが、2005年5月23-25日にブラジル・リオデジャネイロにて開催されたSecond IUPAP International Conference on Women in Physics(IUPAP: International Union of Pure and Applied Physics)において、ブラジル・サンパウロ大学のA.L.Brandlらにより紹介された。磁性ナノ粒子は粒子の強磁性、常磁性の磁気的状態を良く制御して作成することが可能である。これを生体内物質の親水性、疎水性を利用し対象となる部位に取り込ませ、外部から熱や電磁波で転移を起こさせコントラストをつくり、鮮明な生体内のイメージを撮影しようというものである。講演では生体内に取り込まれたナノ粒子が、対象部位で必要な機能果たすための有効なサイズなどの研究が紹介された。臨床への応用については時間がかかるとのことであったが、ナノ粒子の一つの応用技術して期待される。

(日本原子力研究所 安居院あかね)