101.01

分野:
磁性材料
タイトル:
粒径0.3μmのNd-Fe-B磁石合金微粉末の新製法
出典:
M. Nakamura, M. Matsuura, N. Tezuka, S. Sugimoto, Y. Une, H. Kubo, and M. Sagawa, Appl. Phys. Lett. 103, 022404 (2013)
 
 
概要:
 東北大学とインターメタリックス社が粒径0.3μmのNd-Fe-B磁石合金微粉末の新製法を開発した。現在の製法限界の約3分の1、量産で用いられているものの約10分の1のサイズで、焼結磁石への適用によるDyフリー磁石への技術展開が期待される。
 
 
本文:
 経済産業省の未来開拓技術実現プロジェクトの一つ「高効率モーターのための磁性材料技術開発」プロジェクトで、東北大学とインターメタリックス社が粒径0.3μmのNd-Fe-B磁石合金微粉末の新製法を開発した。発表論文によれば、ストリップキャスティング法による急速凝固で得た微細組織のNd-Fe-B系磁石合金に水素化・不均化・脱水素・再結合(HDDR)プロセスを施すことにより合金中の主相であるNd2Fe14B化合物を直径約0.3μmの微細結晶集合体とし、さらに低温で水素化することによる体積膨張を利用して粒界部分を脆弱化し、最終的にはヘリウムジェットミルを用いて微粉砕するというプロセスである。HDDRプロセスでNd2Fe14B化合物が高温水素中で一旦NdH2、α-Fe、Fe2Bからなる微結晶複合体に分解し、脱水素と同時に微細なNd2Fe14B結晶集合体が再結合反応により生成することを利用している。活性な希土類磁石化合物の超微粉末を安全に取り扱うには高度な極低酸素成形および焼結技術を要するが、本技術は焼結磁石においてこれまで限界とされていた1μmの結晶粒径をさらに微細化して高保磁力を実現する方向に展開されるものと期待される。

(物質・材料研究機構 元素戦略磁性材料研究拠点 広沢 哲)