51.01

分野:
磁気記録
タイトル:
強磁性薄膜パターンにおけるマイクロ波アシスト磁化反転過程の詳細
出典:
第32回日本磁気学会学術講演会 14p1PS-3:
サブミクロン幅NiFe薄膜パターンのマイクロ波アシスト磁化反転 および
Appl. Phys. Lett. 91, 122505 (2007)
 
概要:
 九州大学の立石らは、マイクロ波アシストによる磁化反転過程の挙動を、NiFe単一素子について調査した。その結果、素子の固有振動数より低い周波数で、かつ強磁性共鳴(FMR)線幅より広い周波数範囲で反転可能であることが示された。
本文:
  マイクロ波アシスト磁気記録は、磁気記録装置の高密度化における、ひとつの解決策として研究されている。九州大学の立石らは、サブミクロンレベルに微細加工されたNiFe薄膜とCo薄膜における、マイクロ波アシスト磁化反転の挙動を、磁気力顕微鏡(MFM)とネットワークアナライザFMR(VNA-FMR)を用いて調査した。

 MFMによる観測の結果、多結晶Coにおいては、マイクロ波による反転は起こらないことが示された。Coでは磁気異方性の分散が大きく、交流磁界と磁化回転が共鳴しにくい為、と予想される。一方、保磁力の小さいNiFeにおいては、確率にばらつきはあるものの、磁化の反転が確認された。

 詳細を調査する為、VNA-FMRを用いて、NiFe単一素子のマイクロ波アシスト磁化反転の検出実験を行った。その結果、マイクロ波アシスト磁化反転に要求される周波数は、NiFeパターンの固有振動数より低く、微弱なマイクロ波磁界に対するFMR吸収線幅よりも広い周波数範囲で反転可能であることが示された。また、保磁力が200 OeのNiFeパターンに対し、5 GHzのマイクロ波磁界(110 Oe)を印加することにより、スイッチング磁界を30 Oeにまで低減できることが確かめられた。