37.03

分野:
磁気記録
タイトル:
CoCrPt-SiO2垂直媒体の性能に対する2重記録層の効果
出典:
IEEE Trans. Magn. Vol.43, No.6, 2097 (2007)
 
概要:
 垂直磁気記録媒体の記録層に飽和磁化の異なるCoCrPt-SiO2の2重層を用いて、膜厚と堆積の順序を変化させることによって、その磁気特性と記録性能を評価した。
本文:
 グラニュラー垂直磁気記録媒体は高密度記録媒体の主流となってきている[IEEE Trans. Magn. 38, 1976(2002)]。そのために、SNRの増加などといった記録性能の向上が求められている。また、CoCrPt膜の初期成長層部分での特性改善が必要とされており、ここでは、飽和磁化が異なる2重CoCrPt-SiO2グラニュラー記録層構造を用いることによって、特性改善を図った。

 まず、一軸磁気異方性エネルギー Ku と記録層の厚さの積と記録層の厚さとの関係から、初期成長層で Ku は小さいことが示唆された。次に、2重記録層として、記録層の膜厚を固定し、飽和磁化の小さい層を上部層、下部層それぞれにもってきたときの膜厚を変化させたときの特性を調べた。すると、飽和磁化の小さい層を記録層の下部層にしたときが、保磁力も大きくなり、SNR、分解能も良好な記録特性を得ることが確認された。また、Ru中間層の膜厚を薄くすることにも、単層で作製するよりもこの2重記録層を利用することが有効であることがわかった。

 2重記録層において飽和磁化が小さい層を下部層に用いることにより、グラニュラー垂直磁気記録媒体の更なる磁気特性と記録性能の改善や薄膜化が期待される。

(東京工業大 松鵜 利光)