1.04

1.04 最近の国際会議から:PMRC2004

垂直磁気記録媒体用軟磁性裏打ち層の形成技術に新しい手法

  早稲田大の逢坂らは,無電解めっき法を使って垂直磁気記録媒体用の軟磁性裏打ち層(SUL)を簡便に作製する方法を報告し,注目された(31pB-32: Electroless soft magnetic underlayers for double-layered perpendicular media)。

  彼らは,2.5インチSiディスク上にNiを無電解めっきし,その上にディスクを浴中回転させながらDMAB(dimethylamine-borane)を還元剤としてCoNiFeBを1 μmの厚さに無電解めっきし,その後,CMPにより500-900 nmの厚さにポリッシュして仕上げた。SULの特性としては,Bs = 1.6 Tから1.8 T,Hc = 1から2 Oeであった。そのSULの上にスパッタ法により垂直磁気記録膜を形成して再生信号波形を観測すると,スパイクノイズが現れず,二次元Kerrイメージによっても顕著な磁壁が認められなかった。今後の課題としては,微細な磁区揺らぎによると思われるDCノイズの低周波成分を減少させることである。東北大のHashimotoらと東洋鋼鈑も無電解めっき法によるSUL形成を報告(31pB-31)したが,同様なDCノイズの低減を課題とした。

  逢坂らのグループは,本発表とは他に、直径9nmのPdシード核を電気化学的に形成する手法を報告しているが(31pA-04),スパッタ法に比べ比較的広いマージンを持つ電気化学的成膜法の高い有用性を示している点で興味深い。

(日立マクセル 松沼 悟)