66.04

分野:
磁気物理
タイトル:
第35回化合物新磁性材料専門研究会「遷移金属化合物における最近の話題-新物性探索から応用まで」
概要:
2010/1/28早稲田大学西早稲田キャンパスにて開催、参加者は20名であった。スピン1/2カゴメ格子磁性体,超高圧合成法によるAサイト秩序型ペロブスカイト,擬1次元・2次元コバルト・ロジウム酸化物における熱電変換特性をはじめ,鉄系高温超伝導体の研究の進展や(非)遷移金属酸化物薄膜の製膜手法開発から物性評価まで最近の話題についてご紹介いただいた。研究会の表題にあるように「新物性探索から応用まで」と幅広い内容でお話をいただいたにもかかわらず,活発な議論がなされ「遷移金属化合物における最近の話題」について知見を深めることができた。
本文:
  1. 「スピン1/2カゴメ格子磁性体の物質探索」岡本佳比古(東大)
    スピン1/2カゴメ格子磁性体BaCu3V2O8(OH)2とCdCu3(OH)6(NO3)2・H2Oの磁化測定を中心に,これらの物質の基底状態の研究を紹介した。
  2. 「超高圧合成法による新奇Aサイト秩序型ペロブスカイトの探索と構造・物性」 山田幾也(愛媛大)
    15 GPa、1000℃の超高圧高温条件を利用することで合成された新奇Aサイト秩序型ペロブスカイトについて、最近発見した物質を中心に、構造・磁性・電気伝導性の報告を行った。
  3. 「低次元酸化物伝導体の熱電変換特性」   小林航(早大)
    ミスフィット層状コバルト酸化物における熱電変換特性とコバルトの価数の相関を,構造解析と角度分解光電子分光の測定結果により論じ,NaxCoO2系の熱電特性との比較を行った。
  4. 「鉄系高温超伝導体の特徴と現状」  神原陽一(東工大)
    鉄の正方格子の超伝導は、LaFePOの発見以来、複数の物質群(1111系, 21113系, 111系, 122系, 11系)にて発見されている。本講演は各物質群の電気的性質を2種の相図に分類した。
  5. 「応用へ向けた遷移金属酸化物薄膜の製膜手法開発」  中島智彦(産総研)
    化学溶液法をベースとした紫外レーザー照射を用いる酸化物薄膜の結晶化プロセスを開発し、その結晶化機構を検討した。従来のマクロ加熱プロセスと比した本手法の利点を紹介し、作製した材料の物性について紹介した。
  6. 「非遷移金属化合物の可能性: MgO(111) 薄膜の作製と評価」  須崎友文(東工大)
    岩塩構造において、(111) 表面はすべて陽イオン、あるいはすべて陰イオンから成るため静電的に不安定であるが、レーザーアブレーション法ではサファイア基板上にMgO(111) 薄膜が成長することが報告された。

 

(早大 小林航)