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第1回ナノバイオ磁気工学専門研究会報告

日 時:2003年5月20日(火)13:30~16:30
場 所:中央大学駿河台記念館480号室
参加者:58名

講演内容:

  1. 「生理活性物質をフェライト粒子合成中に固定した新・磁性ナノビーズとその応用」
        

    阿部正紀(東工大)

    ゲノム解析終了後の革新的な創薬・医療技術開発に必要とされるバイオスクリーニング等に用いる新しい磁性ビーズ(抗体、たんぱく質等の生理活性分子をフェライトナノ粒子合成中にその表面に固定する)が紹介された。

  2. 「熱応答性磁性ナノ微粒子の開発とその応用」
        

    大西徳幸(チッソ)

    温度変化で溶解凝集を繰返す熱応答磁性ナノ粒子は、僅かな温度変化で迅速な磁石による分離が行なえる。この粒子に抗体を固定化すると、その抗原に対する認識能はミクロンサイズの磁性粒子と比較して数十倍であった。

  3. 自由討論

    当専門研究会の方向付けや取り上げるべきテーマを、出席者全員で自由討論した。以下はその要約であり、次回以降の当研究会運営とテーマ選定に活かすことにした。
    – MMM’02やIntermag’03では、Biotechnology(BT)にも力をいれており、すでにバイオマグネティックスのセッションも存在しているが、日本の研究者による発表は未だない状態である。本研究会が、日本の当分野における研究のトリガーになればと願う。
    – バイオマグは医学と工学の境界領域であるので、医学のニーズと工学のシーズをよく理解したい。また、医師が感じている問題点などの話を聞きたい。
    -「ME学会」、「新磁気学会」などの他学会や、強磁場発生分野の研究者との合同研究会の開催を望む。
    – 日本には、磁性ナノ微粒子や造影剤のメーカーがあるのだから、ニーズを示せばビジネスとして成り立つはず。例えば、ドラッグ・デリバリ・システムにおいて、ターゲットのみにたどりつく方法として、磁気を用いることも考えられるのではないか。

第1回の研究会で、予想以上の反響と遠路多数の参加者を得たことは、多くの研究者が、ナノバイオ磁気工学に関して強い関心を抱き、このような情報交換と討論の場を求めている証拠である。世界に先駆け、当研究会から日本発の研究成果が生まれればと意を強くした。

(東工大 阿部正紀、チッソ 大西徳幸、理研 野田紘憙、信州大 森迫昭光)