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第215回研究会/第61回化合物新磁性材料専門研究会

複合アニオン化合物磁性材料の最前線

日 時:
2017年11月1日(水)13:00~16:40
場 所:
中央大学駿河台記念館
参加者:
19名

 今回の研究会では、複合アニオン化合物磁性材料の研究の最前線について、最初の4名の講師には複合アニオン化合物の新物質合成・新物性の観点から、最後の1名の講師には中性子を用いた磁性測定法の観点から講演いただいた。今回の研究会は学生の参加者も多く、すべての講演で活発な議論が展開された。

  1. 「112, 1144構造を持つ鉄系超伝導体の構造と物性」
    ○荻野 拓(産総研)

     講演者らが近年発見した新しい構造を有する鉄系超伝導体112型 (Ca,RE)FeAs2RE = La~Gd)及び1144型AeAFe4As4Ae = Ca, Sr, Ba, Eu, A = K, Rb, Cs)について、それらの結晶構造、超伝導特性および応用の可能性を紹介された。

  2. 「複合アニオン強磁性体LaMnAsO1-xHxの高圧合成」
    ○松石 聡(東工大)

     高圧合成法により合成された1111型酸水素化物LaMnAsO1-xHxがx = 70 %まで酸素を水素に置換できることを示され、水素置換により200 Kを超えるキュリー温度をもつ強磁性体金属に変化することを紹介された。

  3. 「異方的な配位を持つ遷移金属化合物における圧力誘起相転移」
    ○山本隆文(京大)

     講演者らのグループで見出されたFeO4平面四配位をもつ鉄酸化物とtrans-VO4H2八面体配位をもつバナジウム酸水素化物の圧力誘起相転移について、ヒドリドの有無と電子配置の観点から両者の違いを議論された。

  4. 「酸フッ化物層状ペロブスカイトPb3Fe2O5F2の磁気転移」
    ○岡 研吾(中大)

     講演者らが初めて合成に成功した層状ペロブスカイト酸フッ化物Pb3Fe2O5F2の合成法、結晶構造および磁性について報告された。Pb3Fe2O5F2は酸素とフッ素の完全な秩序配列をもち、磁場に依存する複雑な転移挙動を示すことを紹介された。

  5. 「中性子を用いた複合アニオン化合物の磁性研究」
    ○南部雄亮(東北大)

     複合アニオン化合物に適用可能な中性子散乱法を用いた磁性研究の実例として、鉄系超伝導体の類似物質であるBaFe2Se3の磁気構造解析や三角格子反強磁性体NiGe2S4の磁気揺らぎ時間測定の結果を紹介された。

文責:近松 彰(東大)