分子磁性専門研究会
分子磁性は、金属錯体や有機ラジカルなどを対象にした磁性分野であるが、金属や金属酸化物磁性とは合成と物性の点で異なっている。分子磁性体は、有機物と金属イオンなどを組み合わせることにより、0次元から3次元まで、様々な物質群を合成することができる。また磁性においても、バルク体の強磁性から量子性を有する単分子磁石(SMM)やスピンキュビット(MSQ)など様々な物性を発現させることが出来る。これらの分野は、世界中で活発な研究が行われているが、日本では限られた場所でしか測定できないなどの問題があり、なかなか世界を牽引できていないのが現状である。本申請にあたり、日本の分子磁性を活性化し、若手研究者を育成するために、日本磁気学会の基礎から応用まで含めた磁性分野の研究者とコラボすることにより、磁性分野の一端を担う分子磁性の分野が、社会的に認知され、活性化することを期待する。
分子磁性の分野には、磁性体の研究をはじめ、スピンクロスオーバー、原子価異性、混合原子価、量子磁石など様々な物性が期待でき、また伝導性、誘電性、発光特性などの物性を協奏的に発現させるなど、非常に興味深い現象が期待できる。これらの複雑な現象などを解明することで、日本から分子磁性の研究を発信し、世界を牽引することを目指す。
2025年度の開催予定
| 回 | 日時 | 場所 | テーマ | 世話人 |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 2025年12月26日 | 東北大学金属材料研究所 | 分子磁性の次世代を切り拓く -量子スピン・動的電子状態・多次元機能の融合- | 宮坂(東北大) |

