第11回ナノバイオ磁気工学専門研究会報告

日 時:2005年5月31日(火)13:30~15:50
場 所:東京工業大学大岡山キャンパス
参加者:23名

講演内容:

  1. 「磁性ビーズを用いたマイクロ・セルソータの開発」
    笠木伸英(東大)

      再生医療において抹消血から希少な幹細胞を抽出するセルソーティング・システムを実現するため,重要な構成要素であるマイクロミキサをカオス混合理論を応用して開発し、評価した。抗原抗体反応によって生体分子を磁気ビーズで標識することを、MEMS技術で製作しマイクロ流路内で初めて達成することができた。

  2. 「蛍光1分子イメージングや光ピンセット・磁気ピンセットによる1分子操作で生体分子の機能を探る」
    原田慶恵(東京都臨床医学研)

      生体分子の機能を調べる最も直接的なアプローチは、個々の生体分子が機能する様子を直接観察する方法である。我々は生命現象を担っている生体分子に蛍光色素、磁気ビーズなどの目印を導入し、その目印を頼りに個々の分子の機能に伴う動きを高感度光学顕微鏡システムで可視化し、それらの機能を探っている。

今回の研究会では、最近、脚光を浴びているMEMS技術のバイオへの応用例と、生体1分子観察技術に関する講演であった。両講演とも最先端の研究紹介がなされ、活発な質疑応答が行われた。

(東工大 阿部正紀、理研 野田紘憙)