115.01

分野:
スピンエレクトロニクス
タイトル:
新しいフェムト秒時間分解磁気光学イメージング法の開発
出典:
1.“Ultrafast time-resolved magneto-optical imaging of all-optical switching in GdFeCo with femtosecond time-resolution and a m spatial-resolution”, Rev. Sci. Instrum. 85, 063702 (2014). (http://dx.doi.org/10.1063/1.4880015)
2.第60回 ナノマグネティクス専門研究会
https://www.magnetics.jp/special/nanomag/history/nanomag_060/
10月3日 9:15~9:25 Post-deadline presentation:
「新しい超高速時間分解磁気光学イメージングで観る全光磁化スイッチとスピン波伝搬」 橋本 佑介 (ラドバウド大学)
 
 
概要:
ラドバウド大学ナイメーヘン(オランダ)の橋本佑介博士研究員らは、日本大学、NHK放送技術研究所と共同で、磁性体中の磁化情報を「フェムト秒の時間分解能」、「マイクロメートルの空間分解能」、そして「メガピクセルのイメージサイズ」で観測する新しい超高速時間分解磁気光学イメージング装置を開発した。低ノイズ高感度CCDカメラ、GPUを用いた並列データ処理と最適化された独自のアルゴリズムにより、従来技術と比べて約4,000倍と飛躍的な実験速度向上を実現している。また、本装置とポンプアンドプローブ法を併用し、フェリ磁性体GdFeCoにおけるサブピコ秒での全光磁化スイッチングの時空間分解測定を報告した。なお、この研究成果は、10月2日から3日にかけて新潟市で開催される第60回 ナノマグネティクス専門研究会において、10月3日のプログラムの冒頭でpost-deadline presentationとして講演が行われる予定である。
 
 
本文:
ラドバウド大学ナイメーヘン(オランダ)の橋本佑介博士研究員らは、日本大学、NHK放送技術研究所と共同で、磁性体中の磁化情報を「フェムト秒の時間分解能」、「マイクロメートルの空間分解能」、「メガピクセルのイメージサイズ」で観測する新しい超高速時間分解磁気光学イメージング装置を開発した。これまで、磁化の光励起過程および緩和過程に関する研究は多く報告されているが、そのほとんどが時間分解測定に限られており時空間分解測定の報告は少ない。本技術が実現する「フェムト秒の時間分解能」と「マイクロメートルの空間分解能」は、磁化の波としての振る舞い(スピン波)の直接観測も可能とし、得られる情報はスピントロニクスデバイスの研究開発における基礎的な知見となるだろう。
本装置は磁気光学イメージを、低ノイズ高感度CCDカメラを用いた回転検光子法により取得する。偏光面の回転角分解能は1ミリ度ほどである。GPUを用いた並列データ処理と最適化された独自のアルゴリズムにより、従来技術と比べて約4,000倍と飛躍的な実験速度向上を実現した。また、超高速時間分解測定に使われるポンプアンドプローブ法を併用することで、サブピコ秒の時間分解能を実現している。実験例として、フェリ磁性体GdFeCoにおける全光磁化スイッチングの時空間分解測定が報告されている。直径2マイクロメートルに集光されたポンプ光による、サブピコ秒の全光消磁過程およびサブナノ秒の全光磁化スイッチング過程が高精細にイメージング観測されている。

(東芝 鴻井克彦)