113.01

分野:
磁性材料
タイトル:
Pr-Cu混合焼結によりDyフリーNd-Fe-B磁石で保磁力21kOe
出典:
Fangming Wan, Yinfeng Zhang, Jingzhi Han, Shunquan Liu, Tao Liu, Lei Zhou, Jiango Fu, Dong Zhou, Xiaodong Zhang, Jinbo Yang, Yingchang Yang, Jie Chen, and Zhiwei Deng, J. Appl. Phys.115, 203910 (2014)
 
 
概要:
 北京大学のWanらはNd-Fe-B系磁石合金微粉末と低融点Pr-Cu共晶合金粉末を重量比80:20で混合焼結し、平均結晶粒径4.5μmのDyフリー焼結磁石で保磁力21kOe(1.67MA/m)を得た。
 
 
本文:
 北京大学のWanらはNd-Fe-B系磁石合金Nd12.2Pr2.6Fe76.3Co2.1B6.0Nb0.2Al0.5Cu0.1
(原子比)の平均粒径3.5μmの微粉末とPr68Cu32合金の50μm粉末を80:20の重量比で混合ご成形、焼結し、平均結晶粒径4.5μmのDyフリー焼結磁石で残留磁束密度1.1T、保磁力1.67MA/mを得た。混合なしの焼結試料の平均結晶粒径6.5μm、残留磁束密度1.3T、保磁力1.1MA/mに対して、平均結晶粒径が減少し、粒子間粒界相の組成比(NdtPr):(FetCo):Cuが32: 65: 3から72: 9:19に変化し、粒界相の厚みが4nmから20nmに増加したことが、高保磁力化の要因であると解釈している。
保磁力増加機構についてはPrが主相粒子表面に拡散浸透して異方性磁界が局所的に増加した可能性もあるが、焼結磁石の粒界相の厚みと組成を操作する一つの手法を示したものとして注目される。焼結磁石を組成の異なる2種の合金粉末を混合して作製する手法は2合金法として知られているが、多元系での相平衡や焼結組織形成過程など、解明されるべき課題が残っている技術分野であり、今後、状態図などの基礎データの蓄積が有益であると考えられる。

(物質・材料研究機構 元素戦略磁性材料研究拠点 広沢 哲)