62.01

分野:
磁性材料
タイトル:
東北学院大学の嶋敏之教授、豊田中研の佐藤研究員らのグループが重希土類フリーのNd-Fe-B系薄膜磁石で26kOeの高保磁力を達成
出典:
 長崎大学文教キャンパスで開催された第33回日本磁気学会において、東北学院大学の嶋敏之教授、豊田中研の佐藤研究員らのグループが重希土類フリーのNd-Fe-B系薄膜磁石で26kOeの高保磁力を達成した研究結果を報告した。
 
 
概要:
  長崎大学文教キャンパスで開催された第33回日本磁気学会において、東北学院大学の嶋敏之教授、豊田中研の佐藤研究員らのグループが重希土類フリーのNd-Fe-B系薄膜磁石で26kOeの高保磁力を達成した研究結果を報告した。
本文:
 ハード磁性材料は12日午前から夕方まで24件の発表があり、遠隔地かつ金属学会とほとんど重なる時期の開催にもかかわらず、教室がほぼ満室になる盛況を呈した。東北学院大の岡、三品、嶋と豊田中研の佐藤らは、Cu添加による保磁力改善メカニズム探求を目的として、Nd15Fe70B15組成のNd-Fe-B磁石薄膜(5nm~50nm)にCu またはNd-Cuをキャップ層として成膜、250℃~700℃で熱処理後、Cr保護膜を成膜し、520℃の熱処理を施した多層膜試料で、Cuキャップ層の場合に19.3kOe、Nd-Cu(Nd36.5%)キャップ層の場合に26kOeの極めて高い保磁力が得られたと報告した。保磁力増大効果はNd-Cuキャップ層の組成にも依存する。今回得られた薄膜Nd-Fe-B系磁石の保磁力は、現在までにTb等の重希土類希少元素を用いないで得られた値としては最高レベルで、重希土類フリーのNd-Fe-B系磁石材料で材料組織を制御できれば達成可能なレベルを示すものといえる。

(日立金属株式会社NEOMAXカンパニー磁性材料研究所 広沢 哲)