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13.03(低温工学・超伝導学会(05年5月、東京))

タイトル:
無冷媒型ハイブリッドマグネットの強磁場世界記録(27.5テスラ)達成
概要:
 東北大学金属材料研究所強磁場超伝導材料研究センターと住友重機械工業株式会社は、無冷媒型ハイブリッドマグネットにより、27.5テスラの強磁場発生に成功した。従来のハイブリッドマグネットは、膨大な液体ヘリウムを使用するとともに、強磁場の長時間保持が困難であったが、今回開発したマグネットではこれらの問題が解決され、新たな強磁場応用が拓かれると期待される。
本文:
 東北大学金属材料研究所強磁場超伝導材料研究センターと住友重機械工業株式会社は、無冷媒型ハイブリッドマグネットにより、27.5テスラの強磁場発生に成功した。ハイブリッドマグネットは、大口径超伝導マグネットの内側に大電力型水冷銅マグネットを配置した組み合わせたものであり、強磁場の発生ができる。しかし、従来のハイブリッドマグネットでは、外側の大口径超伝導マグネットの運転に膨大な液体ヘリウムを使用するため、時間的な制約が多く一定磁場を長時間保持する研究開発は困難であった。これに対し、今回開発された無冷媒型ハイブリッドマグネットでは、超伝導マグネットの運転にGM冷凍機を用いており、時間的な制約が取り払われたため、強磁場を活用する種々の材料研究・開発が可能となった。
 東北大学の研究グループは、世界で初めての無冷媒型ハイブリッドマグネットの開発を数年前から始めており、これまでに22.7テスラの磁場発生を実現させていた。今回、改良をくわえることにより、この記録を大きく更新させることに成功した。近年、無冷媒型マグネットの普及は目覚ましく、新たな磁場応用が次々と開拓されつつある。今回開発されたマグネットは、このような流れを加速し、強磁場の産業応用に新展開をもたらすと期待される。

(東北大金研 三谷誠司)