78.01

分野:
磁気応用(生体磁気)
タイトル:
小動物用MEGシステムを利用した低磁場SQUID-MRI装置
出典:
SQUID-based low field MRI using a MEG system for small animals, J. Hatta, M. Miyamoto, Y. Adachi, J. Kawai, G. Uehara, and H. Kado, Applied Superconductivity Conference 2010 (Washington, D.C., USA)
概要:
 著者らはSQUID磁束計を用いた小動物用MEG装置を利用し、低磁場MRI装置の開発を行った。MRI用の磁場印加スイッチングのSQUIDへの干渉が問題であったが、SQUID磁束計の改良や印加コイルの逆起電力の低減により、MRI信号のS/N比を向上させた。また、ターゲットフィールド法を用いて磁場印加用コイルを設計し、均一性の高い磁場を小型のコイルで実現した。開発した装置によって水のNMR信号を検出し、本装置の有効性を示した。
本文:
 マウス・ラット等の小動物における生体磁気計測技術は、医薬品開発や病理解析の発展のために非常に重要な要素技術である。金沢工業大学の八田らは、SQUID磁束計を用いた小動物用MEG装置を利用し、低磁場MRI装置の開発を行っている。本装置は小動物の生体磁場計測と、その形態情報を取得するMRI計測の両方を単一装置で計測するためのものである。しかし、分極磁場の高速スイッチングのSQUID磁束計への干渉が問題となっていた。SQUIDグラジオメータやFLL回路の改良、分極コイルにおける逆起電力の低減を行い、MRI信号のS/N比を向上させた。また、計測磁場及び勾配磁場発生用の4組のコイルはターゲットフィールド法を用いて設計を行い、350mm×350mm×190mmの大きさのものを製作し、40mmDSVの範囲で0.5%の磁場均一性が得られた。製作した装置によって、4.4mTの分極磁場、47mTの計測磁場(ラーモア周波数1.9kHzに相当)を30ml の水に印加した実験を行い、4 pT のNMR信号を観測することができた。この結果により、小動物用のMEG/MRI装置実現の可能性が示された。

(金沢工業大学 小山大介)