56.05

分野:
磁気応用
タイトル:
第28回ナノバイオ磁気工学専門研究会「磁性微粒子を用いた細胞配列パターニング、脳標的化細胞の分離と体内動態イメージング」
概要:
 2008/12/5東京工業大学大岡山キャンパスにて開催、参加者は25名であった。細胞にマグネタイト微粒子を取り込ませ、臓器再生に応用する手法や脳内の患部を観測ずる技術が紹介された。近年の人工多能性幹細胞(iPS細胞)への関心の高さからか、時間を大幅に超過する質疑応答がなされ、磁性微粒子の医療への応用に対する強い期待が伺われる有意義な研究会となった。。
本文:
  1. 「磁性微粒子を用いた細胞配列のパターニング~再生心筋の機能的構築をめざして~」 李 鍾國(名大)
    幹細胞から心筋を再生する最先端の技術が紹介された。分化前の幹細胞にマグネタイトナノ粒子を内包したリポソームを取り込ませ、培養中に磁場を印加することで、細胞間の密着度をあげ、徐脈性不整脈治療のためのペースメーカー細胞と不整脈を起こしにくい心筋細胞をシート状に展開する培養法を説明し、将来的には3次元的な細胞パターニングに応用できる可能性を示した。
  2. 「磁性微粒子による脳標的化細胞の分離と体内動態イメージングおよび機能解析」 澤田 誠(名大)
    ウイルスなどの進入を阻止する脳内の血液脳関門の仕組みと、この関門を越えることのできるミクログリアについての説明があり、ミクログリアの貪食性を利用して、マグネタイトや薬剤を取り込ませた後に血液脳関門を越えて、脳内に薬剤を輸送する技術が紹介された。特にマグネタイトを脳内に取り込ませることでMRIの鮮明な画像を得ることができるようになり、フェリチンを脳内に運び込むことで脳内での細胞発現をMRIで観測できたことを例示し、脳内疾病治療の将来展望を紹介した。

(東工大 中川貴)