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12.07(粉体粉末冶金協会平成17年度春季大会(2005年6月1日 – 3日、早稲田大学国際会議場))

分野:

パワーマグネティックス

タイトル:

超高周波帯応用を考慮したフェロックスプレナー -粉体粉末冶金協会平成17年度春季大会より-

概要:

粉体粉末冶金協会の平成17年度春季大会が開催され、今回、講演特集として「磁性材料の新規応用と評価技術」と題してマグネティクスに関する研究発表が行われた。その中でも超高周波帯用途を目的としたフェロックスプレナーに関する研究報告が数多く報告され、話題を集めた。

本文:

粉体粉末冶金協会の平成17年度春季大会が、2005年6月1日 – 3日に早稲田大学国際会議場で開催された。種々の粉末冶金材料に関する研究発表が行われるこの学会において、今回、講演特集として「磁性材料の新規応用と評価技術」と題してマグネティクスに関する研究発表が行われた。その中でも多くの発表があった内容が、今回紹介するフェロックスプレナーに関する研究成果と、圧粉磁心材料に関する成果である。
Z、Y、U型と呼ばれる六方晶型フェライト(フェロックスプレナー)はそのc面内に磁化容易方向をもち、なおかつスピネル系フェライトに比べ大きな磁気異方性を有することから、携帯電話や無線LAN等の数百MHzから数GHz帯域を利用する電子機器の回路素子あるいはEMC対策材料としての期待が持たれている。しかし、その結晶構造は複雑で、構成元素によりその磁気異方性が変化するなど扱いの困難な材料でもある。フェロックスプレナーに関しては系統的な研究が十分に行われておらず、実用化にはまだ多くの課題が残されている。
大阪大学の研究グループはCo2Z型フェライトおよびその中に含まれるBaイオンをSrイオンで置換した一連のフェロックスプレナーの磁気構造を、高温X線回折および高温中性子線回折により解析し2つの報告を行った。これによるとCo2Z中のBaイオンを完全にSrイオンで置換することにより、その磁化容易方向がc面内からc軸方向へ変化し、それに伴い高周波における磁気特性も影響を受けることを結論付けた。
足利工大の研究グループからは、Zn、CuおよびCoを含むY型フェライトの低温焼結に関する報告がなされた。含有するFeイオン量を変化させ、仮焼粉砕時の粒径を0.2μm以下とし、かつ1%のBi2O3を添加することで900°Cでの焼結が可能であるとの報告を行った。太陽誘電からはCo2Z型フェライトの作製プロセスを検討することでCo2Z相の生成率を向上できることが報告され、試料内のCoイオンの分布を均一化することがポイントであることが示された。
埼玉大学の研究グループからは、これまでほとんど研究報告がないU型フェライトの磁気的性質に関する報告がなされた。1250°C以上の焼結によりCo2U型フェライトの単一相が得られること、および、Coイオンの一部をZnイオンで置換することにより初透磁率の向上が図れることなどが報告された。
岡山大学からは錯体重合法を用い、Co2Y型フェライトのBaイオンをすべてSrイオンで置換したフェロックスプレナーの合成に関する報告があり、熱分解時におけるスピネル相の生成を抑制することで六方晶型フェライトの単一相が得られやすくなるとの知見が示された。

(埼玉大・工 柿崎 浩一)