41.01

分野:
磁気記録
タイトル:
Kerr効果顕微鏡によるマイクロ波アシスト磁気スイッチングの検討
出典:
Journal of applied physics 102, 063913 (2007)
 
概要:
 楕円Ni81Fe19薄膜にマイクロ波を照射することでスイッチング磁界が小さくなることをカー効果顕微鏡で可視的に示した。照射するマイクロ波の周波数やパワーを変えて、スイッチング磁界を調べたところ、ニュークリエーション磁界を越えるパワーのマイクロ波を与えることで、保磁力が半分以下まで減少した。
本文:
 磁性体にマイクロ波を照射すると、磁化反転しやすくなることが知られている(1)。ここでは、マイクロ波の照射によってスイッチング磁界が変化する様子を、カー効果顕微鏡を用いて可視化するとともに、それをもとにカーヒステリシスループを描かせている。

 磁性膜は、膜厚=10nmのNi81Fe19薄膜で楕円形をしており、長軸=160μmで短軸=80μmである。磁化容易軸は長軸にある。照射するマイクロ波の周波数は500MHz~1.5GHzで、パワーは0~3.2Wである。磁化状態は、面内カー効果顕微鏡を用いる。照射周波数が共鳴周波数に近い600MHz付近で、小さな磁界で磁化反転することが分かった。一方、照射する周波数が1.4GHz付近では、反転核ができた後に徐々に磁化反転する様子をカー効果顕微鏡で観察できている。このような変化から相対的な磁化変化(規格化したヒステリシスループ)を求めたところ、600MHzでの保磁力は約1.5Oeで、1.4GHzでの保磁力は約7.5Oeであった。

(1) Nature Materials 2, 524 – 527 (2003)   

(富士通研究所 松本幸治)