27.01

分野:
磁気記録
出典:
日立製作所のプレスリリース(2006.8.9)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/08/0809.html
 
タイトル:
(GaMn)Asの単一電子トランジスタにより、電気抵抗が100倍変化する磁気抵抗効果を確認
概要:
 日立ヨーロッパ社などは(GaMn)Asの単一電子トランジスタを用いて、電気抵抗が100倍を超える変化を示す磁気抵抗効果「クーロンブロッケード異方性磁気抵抗効果:CBAMR」の原理検証に成功した。
本文:
 磁気ヘッドには読み取り用素子としてGMR素子が使われ、更に高感度なTMR素子の開発が進められているように、ハードディスクドライブの記録密度の上昇に伴い、磁気検出感度が高い磁気センサが必要となっている。

 今回、日立ヨーロッパ社は、Institute of Physics ASCR(チェコ)、University of Nottingham (イギリス)、National Physical Laboratory(イギリス)、ケンブリッジ大(イギリス)との共同開発により、電気抵抗が100倍を超える磁気抵抗効果を確認した。

 この抵抗変化はクーロンブロッケード異方性磁気抵抗効果(CBAMR)によるもので、強磁性体材料である5nm厚の(GaMn)Asの単一電子素子により4.2ケルビンの温度で確認された。この磁気抵抗効果の大きさと信号変化の正負の値は、単一電子トランジスタに加える数ボルトの電圧(ゲート電圧)で制御可能であり、100倍を超える磁気抵抗の変化は、クーロンブロッケード現象(単一電子を閉じ込める現象)と磁気異方性の組み合わせによって生じることを理論計算で明らかにした。

 今回は4.2ケルビンの極低温下での評価だが、シミュレーションの結果、高温でもクーロンブロッケード効果が持続する可能性があることから、1テラビット/平方インチを超えるような超高密度磁気記録に不可欠な技術となる可能性があり、今後の進展が期待される。 

(NEC 末光克巳)