2.06

2.06 最近の国内会議から:MR研究会

垂直磁気記録用単磁極ヘッドの1GHz以上での高周波応答測定(MR研究会)

 電子情報通信学会磁気記録専門委員会(MR研究会)が映像情報メディア学会マルチメディアストレージとの共催で、「垂直磁気記録および一般」をテーマとした研究会が東北大において開催された。
日立の中村らは、ヘッド磁界を直接、高空間分解能で計測できる電子線トモグラフィー装置を用いて、垂直磁気記録用単磁極ヘッドの高周波応答を測定し、1GHzにおけるヘッド磁界の遅延は測定精度0.1ns以下であることを確認した(MR2004-6:電子線トモグラフィー装置を用いたSPTヘッドの高周波応答測定)。単磁極ヘッド単体の測定結果ではあるが、今後、軟磁性裏打ち層付き記録媒体を組み合わせた系での磁化応答の評価が期待される
一方、マイクロマグネティクシミュレーションにより軟磁性裏打ち層との静磁気的相互作用を考慮した場合、830MHzでのヘッド磁界の遅延時間が0.2~0.4nsであることが報告された(MR2004-5:マイクロマグネティックスモデルを用いたSPTヘッド磁界の計算)。本シミュレーションではギルバートのダンピング定数aを0.1としているが、磁性薄膜での実測値(α = 0.01程度)でのシミュレーションが必須であり、今後の研究が期待される。
ハードディスク装置の記録周波数の向上は重要な開発要素であり、このような測定法やシミュレーション手法の開発によって、磁気ヘッド動作周波数のさらなる向上に繋がる研究の展開が可能となる。

(NHK放送技術研究所 林 直人)