1.03

1.03 最近の国際会議から:PMRC2004

イオンドープ法によるFePt規則相の形成

  TDKの青山らは秋田大学との共同研究成果として、FePt合金を堆積後にインプランテーションを起こす程度のBイオンを照射することにより、微細な構造をもつL10-FePt規則相が形成されることを見出した(02pB-02: B-ion Doping Effects on L10 Ordering of FePt Thin Films)。

  秋田大学で開発された組成変調型の[Fe(0.15nm)/Pt(0.17nm)]n交互積層膜に4 keVのエネルギーで8.0×1015~4.8×1016 ions/cm2のイオン照射を行い、照射後の膜を600°CでRTA(Rapid Thermal Annealing)処理を行ったところ、B濃度が20~25at%程度に相当する照射量で保磁力が無照射の膜の2倍程度となった。Bドープされた膜ではグレインサイズが微細化されるが、発現する保磁力は無照射の同サイズ粒子の場合よりも大きいことも見出している。さらに、Bイオンドープした膜ではRTA処理後の膜面の表面粗度が0.2 nm以下に大幅に低減されていることも特長の一つである。

  これらの結果は、パターニングされたステンシルを通してイオン照射することによって選択的な規則化を行い、凹凸構造の少ないパターン型媒体を作製できる可能性を示すもので注目される技術である。

(東京工業大 中川茂樹)