45.01

分野:
磁気物理
タイトル:
ニッケル単結晶の磁歪、4軸回折計を使ったX線回折による高精度測定
出典:
Magnetostriction of a Single Crystal of Nickel Observed with an X-Ray four-Circle Goniometer
Etsuo Arakawa, Noriyuki Aizawa, Yongjun Park, and Jae-Young Choi,
JOURNAL OF PHYSICS AND CHEMISTRY OF SOLIDS, Vol 68/11 pp 2138-2142, 2007.
概要:
 四軸回折計を使ったX線回折による磁歪係数の測定では、印加磁場方位と観測する結晶方位とを高精度に設定できることを、ニッケル単結晶試料での実験結果とともに示した。
本文:
 
東京学芸大学の荒川らは4軸回折計を用いたX線回折技術を用いてNi単結晶試料の高精度な磁歪係数決定方法を考案した。

 磁歪の計測では、磁化方向と観測方向とを精度よく設定することが重要である。従来は、結晶方位の確認の装置と磁歪測定の設定の装置が異なるため、方位に敏感な磁歪係数の測定は難しかった。荒川らは4軸回折計を用いることで、結晶方位の確認と磁歪測定とを同一の装置で行えることに着目し、磁歪係数の測定精度の向上につなげた。すなわち、4軸回折計で、複数のX線回折ピークをとらえ、それらの方位から、試料の結晶方位を直接に確認し、磁化方位を電磁石の取り付け精度の程度に納めることを可能とするとともに、回折面を選択することで観測方向を高精度に定めた。磁歪係数は磁化によるブラッグ角のシフト量から得た。本手法をNi単結晶に適用したところ、容易磁化軸方向の磁歪係数は (-13±4)*10-6であり、文献値とよい一致を示した。