18.03

分野:
磁気物理
タイトル:
大型放射光施設SPring-8で施設シンポジウムが開催された
出典:
第9回SPring-8シンポジウム (2005/11/17-18)
概要:
 大型放射光施設SPring-8で2005/11/17-18に、今回で第9回を迎えるSPring-8シンポジウムが開催された。例年の施設の現状と今後の展望についての講演のほか、利用技術に関する討論”ハイスループット化とその周辺”が行われ、特に産業界からの利用を意識した計測のハイスループット化技術について、構造解析、XAFS測定、核共鳴散乱、回折測定などに関して制御系の高速化、自動化の開発の様子が報告された。
本文:
 
大型放射光施設SPring-8で、(財)高輝度光科学研究センターとSPrng-8利用者懇談会の主催により、第9回SPring-8シンポジウムが2005/11/17-18に開催された(http://www.spring8.or.jp/sp8_sympo-9/)。例年と同じく施設の現状、課題、今後の展望や最近の研究成果についての講演のほか、利用技術に関する討論”ハイスループット化とその周辺”が行われた。これまでSPring-8で行われてきた、タンパク3000やナノテク支援といった取り組みに、今年度から「先端大型戦略施設活用プログラムが」加わり、これまでにまして産業界からの新たな需要を掘り起こし、放射光実験が利用・活用されることが期待されていることが伺えた。放射光利用経験のないユーザーを意識し、構造解析、XAFS測定、核共鳴散乱、回折測定、分光測定など種々の測定計測技術で高速化、精密化、自動化、ハイスループット化また、研究範囲を拡張する取り組みについて進捗が紹介された。

 そのなかでビームライン08Wのパワーユーザーグループは、磁気コンプトン散乱法を用いた研究分野を拡張するのに関わる実験技術の整備および開発について報告した。磁気コンプトンプロファイル(MCP)測定で散乱を低減するよう試料基板を工夫し磁気効果を高め、アモルファスTbFeCo垂直磁化膜で磁気異方性や測定方向に起因するスペクトルの変化を観測に成功し、MCP測定が磁性薄膜試料における磁気異方性の起源を探るための研究に活用できることを示した。他に、高圧下でのMCP測定の成功例やマイクロビーム化のための屈折レンズの開発について紹介した。

(独立行政法人 日本原子力研究開発機構 安居院あかね)