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13.01(文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトの放射光グループ研究成果報告会「放射光利用 ナノテク最前線2005」)

分野:
磁気物理
タイトル:
フラーレンの中の磁性元素の磁化率の測定に成功
概要:
 輝度光科学研究センターの中村らは軟X線磁気円二色性法を用いてフラーレンに2個内包されたDyの磁化率の測定に成功した。元素選択的な軟X線磁気円二色性測定を用いることで他の元素の影響を受けずに目的の元素のみを抽出して磁化率を測定することが可能になった。
本文:
 6月13日、文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトの放射光グループ研究成果報告会「放射光利用 ナノテク最前線2005」がホテルセントノーム京都にて行われた。磁気に関連したトピックスとしては、高輝度光科学研究センターの中村哲也氏から「軟X線磁気円二色性法を利用した希土類金属内包フラーレンの高感度磁化解析」の成果が報告された。この研究は、SPring-8の円偏光ビームライン(BL25SU)における軟X線磁気円二色性の実験結果を示したもので、試料の希土類金属内包フラーレンが極微量ながら磁気円二色性の磁場依存性や温度依存性が高精度で得られている様子が紹介された。
  発表では、化学収量があまりにも微量なためにSQUIDでの測定が困難とされている内包原子数2個フラーレン(Dy2@C84)の磁気円二色性測定結果が示された。考察では軟X線磁気円二色性スペクトルの振幅がDyの磁化に比例するという仮定の下にDy内包フラーレンの磁性が議論された。ここで用いた仮定は常に信頼できるわけではないが、(1) 基板の反磁性の影響を受けず、(2) 元素別の情報を取得可能で、かつ、(3)高感度な新しい磁化評価法として、軟X線MCDに期待が持てそうである。

(高輝度光科学研究センター 水牧 仁一朗)