6.01

6.01:MMM 2004より

ε (イプシロン)-酸化鉄ナノロッドの大きな保磁力

  第49回MMM 会議がフロリダのJacksonvilleにて開催され、大越ら(東大)は、逆ミセル法とsol-gel法の組み合わせで合成し、1000°Cで熱処理することにより、シリカマトリックス中に分散したε(イプシロン)-Fe2O3の単結晶ナノロッドを合成したと発表した(GD-07: "Giant Coercive Field of Nano-sized Iron Oxide", S. Ohkoshi; S. Sakurai; J. Jin; K. Hahimoto)。
  直径は30nm(条件により20~40 nm)、長さは120nm(80~160 nm)である。熱処理温度900°C以下ではγ(ガンマ)相となり、1100°C以上ではα(アルファ)相になる。この2相は良く知られているが、ε相はほとんど報告がなく、単離されたことはおそらくこれが初めてという。XRDからε相が確認され、TEMのlattice imageからロッド長軸にa軸が配向した単結晶と同定された。 Hcは室温で20 kOe(1.6MA/m)と金属酸化物系磁性体の中ではかなり大きい。Msは小さく(15 emu/g)、形状異方性効果を除いた結晶磁気異方性によるKは2×106 erg/cm3と大きい。
  詳細な磁性メカニズムは検討中という。物性等今後の解析が期待されるナノロッドである。

(日立マクセル 松沼 悟)