第31回強磁場応用専門研究会

共催:
低温工学・超電導学会2014年度第2回 多次元拘束磁場の発生と物質応答に関する調査研究会
応用物理学会 磁気科学研究会
 

磁場発生技術における高磁場化・大口径化の進展は、高磁場利用のラボレベルでの普及を推し進め、物質・生体の形態制御や分離技術などの応用研究、物理的・化学的基礎研究などへと展開されています。この分野の研究進展に伴い、利用される磁場は時間的にも空間的にも多次元的となり、その用途も多様化し続けています。
第31回強磁場応用専門研究会は、低温工学・超電導学会 多次元拘束磁場の発生と物質応答に関する調査研究会及び応用物理学会 磁気科学研究会との共催で開催いたします。広島大学の武内裕香さんと京都大学の宋 广杰さんは今年度博士の学位を取得されており、博士論文の研究内容についてご講演頂きます。また、東北大学の高橋弘紀先生は、高磁場発生や磁気浮上利用の分野においてご活躍で、反磁性物質の磁気浮上とその応用についてご講演頂けることになっています。できるだけじっくりと議論するため、講演時間を長くとり、基礎的な部分から解説いただける予定です。
日時 :
2015年3月18日(水) 13:10~16:30
場所 :
大阪大学大学院 工学研究科 A1棟111号室
(〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1)
http://www.eng.osaka-u.ac.jp/ja/campusmap.html
会費 :
無料
プログラム
 
13:10-14:10
「生体由来微結晶の磁気回転特性」
武内裕香(広島大学 ナノデバイス・バイオ融合科学研究所)
本研究は人体内に蓄積された微結晶が原因で生じる疾患(尿路結石・痛風)の原因物質である尿酸結晶・尿酸ナトリウム結晶の磁場回転特性について研究を行った。人工的に調整した結晶に最大500ミリテスラの磁場を発生する電磁石を使用し、顕微鏡下での結晶の回転挙動の観察と解析を行った。その結果,百ミリテスラ級の磁場下において尿酸結晶・尿酸ナトリウム結晶の反磁性磁気回転現象を発見し、この特性を利用し、磁力線の向きを変化させることで、水溶液中で結晶の磁気制御の可能性を示した。
14:10-14:15
休憩
14:15-15:15
「Structure analyses of cellobiose and cellulose using X-ray diffraction and solid-state NMR spectroscopy on oriented samples (配向試料のX線回折法および固体NMR法によるセロビオースおよびセルロースの構造解析)」
宋广杰(京都大学大学院 農学研究科)
Cellulose is one of the most abundant biomaterials on the earth and has drawn increasing attention as a renewable, biocompatible and degradable material. Currently, it is highly demanded to expand the utilization of cellulose in the wider areas in high end-use. The structural analysis of cellulose is a key to this goal because the structures and properties are closely related; the understanding of structures is essential to improve the properties in final products.
In this presentation, attempts are made to develop methods to elucidating some aspects of cellulose structures. Techniques of magnetic orientation of crystals and fibers are used to prepare oriented samples that are analyzed by X-ray diffractions and solid-state NMR spectroscopy. By orientation, it becomes possible for the first time to obtain more information on structures. Magnetically oriented cellobiose (a smallest repeating unit of cellulose) crystals and cellulose whiskers are studied. The chemical shift tensors of C1 and C1’ carbons of cellobiose crystals are determined using solid-state NMR measurement on magnetically oriented samples. Magnetically oriented cellulose whiskers are analyzed by X-ray diffraction and the correlation lengths of CNC orientations are determined.
15:15-15:20
休憩
15:20-16:30
「反磁性物質の磁気浮上とその応用」
高橋弘紀(東北大学金属材料研究所)
勾配磁場中に置かれた反磁性物質は、磁化率の大きさに比例して磁場から遠ざかる向きに磁気力を受ける。磁気力が鉛直上向きに働き、重力と釣り合うほどになると、物質を空中に浮遊させることができる。この磁気浮上状態は擬似的な微小重力環境と見なすことができ、無容器での溶融凝固や結晶成長、非接触での磁化率測定に応用することができる。講演では磁気浮上についての簡単な説明と、これまで我々のグループが行ってきた磁気浮上実験について紹介する。
オーガナイザー
杉山 敦史 sugiyama@aoni.waseda.jp
森本 良一 morimotoryoichi@mbn.nifty.com