第38回「磁性多層膜の新しい機能」専門研究会

日本応用磁気学会111回研究会

微細加工微小磁性体における新しい物理現象



  現在、磁気物性の分野では、薄膜・人工格子のみならず、細線・ドットといった3次元的に微小化された磁性体の物理現象に多くの関心が集まっています。これは、スピンスイッチング素子や磁気ランダムアクセスメモリー(MRAM)など将来のスピン制御電子デバイスの基礎を与えるという実用上の観点からも、重要なものであると言えましょう。微小構造磁性体の研究には、いかにして微小構造を実現させるかという技術的な側面と、微小化することによりどのような新しい物性が出現するかという物理学的な側面と、大きく2つの側面があると思われます。
 この度、日本応用磁気学会では、主として微細加工技術によって作製された細線やドットが示す新奇な磁気・伝導現象に焦点を当て、現在ご活躍の研究者の方々に最近の進展を講演していただき、討論する機会として本研究会を企画しました。本分野に関心のある多くの研究者の方々のご参加を期待しております。


日時: 1999年7月21日(水)10:00〜17:00
場所: 商工会館(千代田区霞ヶ関3丁目4-2)
参加費:無料 (会員、学生)
    1,000円 (非会員) 
資料代:1,000円(会員、学生)
    2,500  円(非会員)
協賛: IEEE Mag.Soc.Tokyo Chapter, 日本物理学会,
    応用物理学会,日本金属学会,電気学会             
問い合わせ先:(社)日本応用磁気学会
		東京都中央区日本橋1-3-16
		Tel. 03-3272-1761 Fax 03-3272-1760
オーガナイザ: 中谷 功(金材研),高梨弘毅(東北大),片山利一(東邦大),
        岩田 聡(名大),小柳 剛(山口大) 

プログラム(講演時間,題目,講演者)
						座長    片山利一 (東邦大)
10:00〜10:40 磁性体の微細加工研究の現状と課題 
                             中谷 功 (金材研)
10:45〜11:25 微細加工微小磁性体における新しい物理現象−理論的側面から−

                             井上順一郎(名大)
11:30〜12:10   強磁性単一電子トランジスタ
                             大塚洋一 (筑波大)
          ( 昼 休 み )
						座長  中谷 功(金材研)
13:40〜14:20  強磁性量子細線の電気伝導の量子化
                             小野輝男,宮島英紀
(慶大)
14:25〜15:05 Coジグザグ細線における伝導電子の磁壁散乱
			谷山智康(東工大),中谷 功(金材研),山崎陽太郎(東工大)( 休 憩 )
						座長  高梨弘毅(東北大)
15:20〜16:00  磁性体/半導体複合微細構造における電気伝導
                             家 泰弘 (東大)
16:05〜16:45  微細構造磁性体の磁性と伝導
                             大谷義近,深道和明
 (東北大)
16:50〜17:00   まとめ                  中谷功(金材技研)