第9回磁性多層膜の新しい様能専門研究会

日 時:1995年3月3日
場 所:松下電器中央研究所
参加者:約50名

テーマ:
1.MRヘッドの磁区制御技術
府山盛明(日立中研)
2.眉間相互作用の強磁性層厚依存性
奥野志保(東芝基礎研)
3.磁気多値記録のメカニズム
島崎勝輔(日立マクセル)
4.多層膜MOディスクを用いた安定な光変調3値記長方式
長沢雅人(三菱映像システム研)

日立の府山氏からはNi08FeMn等の反強性体を用いたMR ヘッドの単磁区化と,これら反強磁性膜のネール温度と熱処理 による特性変化,及びこれらを用いたMRヘッドの特性の説明 がなされた.又Ni0膜を用いたスピンバルプ型人工格子膜 MRヘッドについても報告がなされた.
東芝の奥野氏からはMBEを用いてて作製されたAu(100)/ Fe/Au/Fe/Au人工格子膜の交換結合磁界の強磁性層厚依存 性について説明がなされ,非磁性層厚による振動のみならず, 強磁性層厚によっても振動現象が観測され,その周期は2ML であることが報告された.
日立マクセルの島崎勝輔氏から新しい媒体構成(基坂/SiN/ TbFeCo/SiN/TbFeCo-PtCo)を用いた4値記鏡の原理説明 および磁界変調オーバーラィト特性データが示された.この方 式のポイントは,TbFeCo-PtCo交換結合2届膜が記録磁界の 大きさにより4種の磁化状態を取り得ることであると報告さ れた.
三菱の長沢氏からは光変調OW可能な交換結合4膚膜の第 4層を光スポット以下の多磁区状態に初期化することで,3 値 記録が可能であることが報告された.特に他の方式に比べて・ グレイの記録状態が明確に決定できることが示された.

(松下電器 榊間 博)