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第7回 初等磁気工学講座報告
 初等磁気工学講座が7月4日(木)に大橋会館(東京都目黒区)で開催された。
  本講座は、1.磁気の勉強をスタートしたばかりの学部学生・社会人に対する始めの一歩、2.磁気物理・工学に数年携わった大学院生・社会人の研究者等に対し頭の中で「磁気」という学問を再整理する提供場所といった趣旨のもと毎年、ほぼ同じ時期に開かれてきた。今年度で7回目を迎え、参加者は37名であった。
  講師は昨年に引き続き、近桂一郎氏(早大)にお願いした。講義は、近氏が今年新たに書き下ろしたものを使用し進められた。その内容は、1.磁気に関する量とその単位、2.磁化とその測定、3.磁気異方性とその応用といった3本の柱で構成され、磁気工学の基礎のエッセンスを丁寧かつ平易に講義していただいた。中でも、「磁気」の勉強をとり組む際にややこしくしている「単位系」について時間をかけて説明していただいた。
  演習では、実際の測定データを使用して飽和磁化、保磁力、反磁界係数、磁気異方性エネルギー、原子磁気モーメント等を系統的に解析・計算させ、近氏とオーガナイザで指導にあたった。また、演習時間の最初の時間を使い、ビデオテープによりVSMとトルクメータの原理ならびに使用法について説明した。VSMでは、試料の種類によって、MHループの形状、初磁化曲線が異なる様子を示した。
  本講座は、昨年までの受講者のアンケート結果を踏まえ、大学の前期試験より早い時期に開催された。しかしながら、大学4年生の参加数は昨年に比べ5人減少し、社会人の参加者数が5人増加した。加えて、社会人の受講者の入社後平均年数が7.2年となり、過去4年の平均約3年と比べ著しく増えていることもわかった。この原因として、大学を卒業し数年たった社会人にとって、1.新しく「磁気」に携わる際に関心を持たれる内容である、2.日常の仕事で「磁気」に携わった結果、再度「磁気」の基礎的な部分を勉強しなおす際に関心を持たれる内容であるなどの理由が考えられる。今後、受講者から回収したアンケートのご意見・ご要望を参考に、益々より多くの方に参加していただける講座にしていきたい。
  最後に、お忙しいなか御時間をさいて講義していただいた近桂一郎氏に紙面をお借りして感謝いたします。

(長崎大 中野正基)