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日本磁気学会 第53回ナノマグネティックス専門研究会報告
テーマ:「磁気イメージング・計測」
日時: 2013年8月29日(木) 13:30〜17:00
場所: 中央大学 駿河台記念館
参加者:25名

 磁性材料の磁気的性質は、その磁区構造に大きく左右され、これを観察・計測する技術の重要性が、応用上も増してきている。今回のナノマグは、当分野の先駆者のひとりである2013年度IEEE Magnetics Society Distinguished LecturerのRudolf Schaefer氏をお招きし、カー顕微鏡とモデリングによるマクロ領域からナノ領域の磁区構造観察ついての研究成果をご紹介いただいた。さらに、同分野の最先端研究成果として、SPring-8の小嗣氏より放射光を用いたレアメタルフリー磁性材料のご研究、慶応大学の関口氏より波及分野のひとつとして、スピントロニクス応用デバイスの研究成果をご報告いただいた。基礎から最先端研究に至るまでがグラフィカルに紹介され、活発な質疑応答、討論がなされた。
  1. ”Magneto-Optic Analysis of Magnetic Microstructures”
    ○Rudolf Schaefer (Leibniz Institute for Solid State and Materials Research)
     カー顕微鏡を用いた静的、動的な磁区観察法とこれを用いた豊富な観察結果が紹介された。配向性の異なる電磁鋼や、アモルファス材料、ナノ結晶リボンなどの磁化過程における磁区構造の変化が、スクリーン上に鮮やかに描き出された。また、モデリング手法を駆使し、観察が困難な磁性体の内部磁区構造が、表面に現れる磁区構造と矛盾なく決定できることが示された。現れる幾何学的ナノ磁区構造に一同魅了された。

  2. ”Magnetic domain imaging using synchrotron radiation: -nanoscale applied materials and magnetic meteorites-”
    ○Masato Kotsugi (SPring-8/JASRI)
    講演者らが精力的に取り組んでいるレアメタルフリー磁性材料「L10型FeNi規則合金」の幅広い観点で研究が紹介された。通常のFeNi合金が軟磁性であるのに対して、L10-FeNiは硬磁性体として振る舞うことが非常に興味深い。本相は隕石に由来する新奇な磁性材料であったが、このようなユニークな磁気特性に加えて、構成元素のFeとNiの資源が潤沢であることから、最近では元素戦略に資する磁性材料の一つとして、応用に向けた研究開発が各方面で盛んに進められている。放射光を用いた最新の解析結果や、高磁気異方性導出のための薄膜作製プロセスの現状の進展について詳細に報告され,活発な議論が行われた。

  3. ” Development of Magnon Spintronics”
    ○Koji Sekiguchi ( 1Keio University, 2JST-PRESTO)
     マグノンを用いるスピントロニクスについて物理的観点及びデバイスへの応用の観点から最新の研究成果が紹介された。マグノンドップラー効果についてβ−STT項を考慮した理論と実験について物理的観点から、マグノン位相・振幅がスピン偏極電流によって変調可能であることが報告された。さらにCMOSを超えうるスピン波論理回路の実験結果として、数十GHz帯マグノンを用いることで高速信号処理を行って、低損失で信号伝達が可能であることが報告された。

文責:芦澤好人(日大),五十嵐万壽和(HGST)