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第18回ナノマグネティックス専門研究会 報告
日 時:2006年 12月 1日(金)13:15〜16:45
場 所:中央大学駿河台記念館
参加者:22名

 次世代の超高密度磁気記録、磁性デバイスの基礎となる高Ku材料、高分解能評価技術、新規構造の記録ヘッド、磁性材料の微構造形成メカニズムについて、深く掘り下げた講演および質疑応答が続いた。ブレークスルーを目指した確実な研究の進展を感じる研究会であった。
  1. 「CoPt系合金垂直磁化膜の一軸磁気異方性と構造」
     島津武仁(東北大)

     CoPt, CoPtCr, Co等の垂直磁化膜の一軸磁気異方性Kuについて,膜厚,組成, シード材料,添加元素に対する依存性を検討し、構造との関係を議論した。いずれの実験結果も、KuがCoPt系合金のhcp格子の軸比c/aと強い相関があることを示しており、c/aの低下によりKuはバルク値の2〜3倍程度にまで増加することが示された。

  2. 「ローレンツTEM法を用いた磁気抵抗効果と磁気微細構造変化のその場計測」
     有田正志(北大)

     強磁性薄膜の磁気抵抗効果(MR効果)と磁気微細構造変化を直接対比するために行なわれた、MR効果測定とローレンツTEM法による磁区観察の同時その場実験の結果が報告された。講演においては、実験遂行に必要な装置、薄膜形成用TEM基板作成法について説明がなされた後、単層パーマロイ、GMR膜についての観察例が紹介された。

  3. 「シールドプレーナー型単磁極ヘッドの設計と1Tbit/in2記録の可能性」
     山川清志(AIT)

     超高密度垂直磁気記録用ヘッドの開発を目的としてプレーナー型記録ヘッドのシミュレーション検討を行い、従来型ヘッドに比べて高磁界が期待でき、1Tbit/in2用パターン媒体に記録可能であることが示された。また、Siウェーハーを用いた作製法も紹介された。

  4. 「強磁性ナノドットの形成メカニズムについての考察」
     土井正晶(東北大)

     2層極薄薄膜(Ni/Ta,Fe/Ta)において加熱あるいはイオン照射を行うことで数nm〜10nmの強磁性ナノドットを形成することを試み、ナノドットの大きさと配列がその場計測によって評価された。また、その形成メカニズムを表面エネルギー、優先酸化等に起因した原子の拡散と分離過程から考察された。

(名大 岩田 聡、富士通研 田中 厚志)