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第12回ナノマグネティックス専門研究会 報告
日 時:2005年7月22日(金)13:30〜17:00
場 所:日本応用磁気学会(三井住友海上駿河台別館ビル6階)
参加者:約20名
  1. 「強磁性ナノ接合の電子状態及び磁化状態」
        小峰 啓史, 高橋 朋広, 杉田 龍二, 村野井 徹夫, 長谷川靖洋* (茨城大・*埼玉大)

      第一原理バンド計算、および、マイクロマグネティックシミュレーションによって、強磁性ナノ接合の形状が接合部の電子状態および磁化状態に及ぼす影響を解析した。接合形状がスピン偏極度および磁壁幅に及ぼす影響を議論した。また、接合部の交換結合が磁壁幅に及ぼす影響を定量化した。

  2. 「Anti-Phase Domains and Charge Ordering on Epitaxial Magnetite Films Studied by Spin-Polarized Scanning Tunneling Microscopy」
        Kazuhisa Sueoka, and Agus Subagyo (Hokkaido Univ.)

      マグネタイト(Fe3O4)の薄膜はanti-phase domain boundary (APB)で区切られる構造的ドメインを有する。MgO(001)表面にエピタクシャル成長したFe3O4(001)薄膜の表面をSTMおよびSP-STMで観察することにより、表面におけるAPBの構造とFe3+ and Fe2+ イオンの電荷配向について研究を行った。APB付近での電子構造とスピン状態を明らかにし、APB境界付近では電子のホッピングが凍結されている可能性を指摘した。

  3. 「磁気トルク計による垂直磁化膜の磁気異方性の測定とGST法との比較」
        根本 広明 (日立)

      最大印加磁界5テスラの高感度磁気トルク計を用いて垂直磁気記録媒体向け垂直磁化膜の高次一軸磁気異方性(Ku2)を測定したところ、磁性層下地材料にかかわらずKu2の増加は見られなかった。同じサンプルをGST法によって測定するとKu2が大きく測定されるケースが見られたが、磁気異方性の部分的な消失と誤認している可能性があり、磁気トルク法による測定結果を信頼すべきであることを述べた。

  4. 「強磁性-反強磁性ナノグラニュラー薄膜の磁性:Fe-MnF2
        古林 孝夫 (物質・材料研究機構)

      強磁性金属と反強磁性絶縁体からなるナノグラニュラーFe-MnF2薄膜の磁性を、MnF2のネール点TNの上下での磁化測定及びメスバウワー効果により調べた。硬磁性、軟磁性を示すそれぞれの組成領域について、交換異方性の効果がTN以下で顕著に表れることを述べた。
 今回の研究会は参加者が20名程度とやや少なめであったが、上記4件それぞれが45分の講演時間であったにもかかわらず、質問時間が足りないとの意見が出るほど活発な議論が行われた。会場については事務局のご協力を頂き、ナノマグネティクス専門研究会としては初めて応用磁気学会の部屋を使用したが、質疑応答が活発で会場使用時間が延長になるようなケースには、時間調整に余裕があり便利であると感じた。

(名大 岩田 聡、日立金属 三俣 千春)