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第16回ナノバイオ磁気工学専門研究会報告
日 時:2006年6月22日(木)13:30〜16:20
場 所:東京工業大学大岡山キャンパス
参加者:20名

講演内容:
  1. 「電磁場の生体、特に細胞に与える影響と遺伝子応答」
    宮越順二(弘前大)

      近年、電磁場の生体影響に関して、国際的に議論が高まってきている。これまで、定常磁場、低周波から高周波に至る電磁場に対して、細胞や遺伝子レベルにおける応答(細胞増殖や突然変異など遺伝子への影響)に関する研究を行なってきた。それらの成果の一部を、生体影響評価および医療への応用という両面から紹介した。また世界保健機関・国際ガン研究機関の活動の概要をも紹介した。

  2. 「細胞・肺磁界測定による化学物質の生体影響評価」
    相澤好治(北里大)

      肺胞マクロファージに酸化鉄粒子を貪食させ、外部磁界印加後ゼロにすると、酸化鉄に残留磁界を生じる。残留磁界は時間とともに急速に減衰(「緩和」という)するが、これは細胞骨格による食胞(捕食物をとりこむ細胞小器官)のランダムな回転によると考えられる。そこで有害化学物質を細胞に曝露すると緩和が遅延することを利用し、石綿代替品や半導体材料物質の細胞有害性評価を行っている。講演では、その研究成果の一部を紹介した。

 今回の研究会では、身の回りにある電磁場の生体への影響、紛塵や石綿などの有害化学物質による呼吸器への影響、およびそれらの生体への影響評価に関する興味ある研究が紹介された。
(理研 野田紘憙、東工大 阿部正紀)