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第4回ナノバイオ磁気工学専門研究会報告

日 時:2003年12月9日(火)13:30〜16:30
場 所:東京工業大学大岡山キャンパス
参加者:38名

講演内容:

  1. 「フェライト系MRI造影剤の開発と今後の展望」     
    長谷川正勝(名糖産業)

      フェライト系MRI造影剤について、肝臓用および血管用本剤の現状や特徴を概括した。つぎに、いくつかのデキストラン誘導体系造影剤の開発経験を材料の立場から紹介し、有効性だけでなく安全性も重要であること、今後の展望では、生体内分布の選択性が重要であることを述べた。

  2. 「超常磁性酸化鉄粒子の臨床応用の現状と展望」     
    谷本伸弘(慶大)

      超常磁性酸化鉄粒子の肝腫瘍画像診断への臨床応用について解説した。本剤を用いた MRIは最も診断的信頼度の高い非侵襲的画像診断法である。今後は、リンパ節転移の診断や分子映像法、再生医療における細胞ラベリングへの応用が期待されている。

  3. 自由討論     

      先ず、すでに公表した2004年2月19日開催の第5回専門研究会の日時・場所・講演者・題目を確認した。
    (Web-site参照 http://www.wdc-jp.com/msj/kenkyu/hikari/index.html)

今回の研究会は、フェライト系MRI造影剤を開発製造する側と、それを使用する側の研究者の講演で、磁性ナノ微粒子の応用に興味を持つ多くの研究者・学生が参加した。両講演とも、多くの質問があり、出席者の関心が高いことを示した。たとえば、分子レベルでのMRI造影法とこれに要求される磁性微粒子の更なる小径化、また超常磁性酸化鉄粒子を用いた画像診断では、病変と疑病変とが確実に映像化される様を発表資料で確認できたことなど、大変興味ある話題であった。

(理研 野田紘憙 )