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第2回ナノバイオ磁気工学専門研究会報告

日 時:2003年7月10日(木)13:30〜16:30
場 所:東京工業大学大岡山キャンパス西8号館E棟10階1001号室
参加者:39名

講演内容:

  1. 「磁性ビーズの医用工学への応用」     
    本間一弘(産総研)

    MRI(磁気共鳴イメージング)における造影剤では、Gd、Feなどを用いて緩和時間や化学シフトを変化させ、組織コントラストを増大する。これらの現状を述べ、原理的側面から考察した造影剤の具備条件および今後を展望した。

  2. 「磁性ナノ微粒子の化学的修飾と温熱療法などへの応用」     
    小林猛(名大)

    磁性ナノ微粒子の特徴として、化学シフトを変えられる、磁界を発生させ得る、磁石で分離可能である、交番磁場を用いて発熱できる、などがある。これらの特徴の医療への応用、特に温熱免疫療法などへの応用例を演者の研究に基づいて紹介した。

  3. 自由討論

    先ず、すでに公表した10月7日開催の第3回専門研究会(特別専門研究会)の日時・場所・題目等を確認した。
    (Web-site参照 http://www.wdc-jp.com/msj/kenkyu/hikari/index.html)
    次に、今回の講演に関して、より詳細に出席者全員で議論した。
    (1) マグネタイト微粒子の粒径は、どのくらいまで小さくできるかに関して、マグネタイト微粒子の粒径は10 nmを、リポソーム化した場合には100 nmの粒径のものを使用しているとの説明があった。 また、この微粒子はどこに、どのように吸着するのかに関して、癌に対してモノクローナル抗体を使用する方法、静電気的作用によって吸着する方法などが議論された。
    (2) 温熱免疫療法は、生体にどのように作用するのかに関して、正常細胞に打撃を与えずに、がん細胞のみを加熱し殺傷することが説明された。そして、癌に対する免疫活性が向上することを発見したことなどが議論された。

今回の研究会は、磁性ナノ微粒子の医学的応用にテーマを絞って開催したため、第1回ほど多くの参加者はなかったものの、より専門的なテーマに興味を持つ多くの研究者が参加した。

(東工大 阿部正紀、名大 小林猛、産総研 本間一弘、理研 野田紘憙)