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第81回マイクロ磁区専門研究会
日 時:12月13日(金)13時30分〜18時10分
場 所:日本電信電話(株) 武蔵野研究開発センタ
参加者:約30名

講演テーマ:
  1. 「FePt単結晶薄膜ならびにナノ微粒子の磁性」      (東北大 岡本 聡)
    巨大な異方性エネルギーをもつことから高密度磁気記録用媒体材料として注目されているFePt合金に関する発表。まず、FePt系合金を記録媒体として用いるための課題を整理し、基礎物性を評価するためのFePt単結晶薄膜の作製方法、および、その評価方法として異常ホール効果を用いた異方性評価方法について報告された。さらに、記録媒体として要求される微粒子構造での問題点および物性評価についても報告され、島状微粒子にPtをオーバーコートすることにより、結晶磁気異方性エネルギーを保ったまま異方性磁界HKのみを低下させることが可能であること、などが報告された。

  2. 「シード層によるCo/Pd多層垂直磁気記録媒体のノイズ低減」  (早大 川治 純)
    現在、垂直磁気記録用媒体材料として盛んに研究されているCo/Pd多層膜に関する発表。Co/Pd多層膜で問題となる面内方向の交換相互作用低減のため、テンプレートとして、C、Siをシード層として用いた。いずれの場合でもノイズは低下したものの、X線回折等で得られる微細構造の情報が大きく異なり、ノイズ低減のメカニズムが異なるものと予想された。特にSiシード層の場合について詳細に検討され、表面のラフネスの変化、および初期成長層の存在を確認した。さらに、Siシード層にさらにPd下地層を付与する方法が低異方性を示す初期成長層の成長抑制に効果的であることなどが報告された。

  3. 「磁気クラスタを考慮した転移ジッタの近似解析」   (東北大 三浦健司)
    高密度磁気記録に関する転移ジッタ低減指針の提言を目的とした記録シミュレーションの発表。記録媒体の磁気クラスタをボロノイセルで構成すると、実際の記録媒体磁化反転に類似した表現が可能になる。このモデルを用いて媒体の保磁力分散や記録磁界勾配を適応した転移ジッタの計算を行った。磁界勾配が急峻で、セルサイズが小さくできると、転移ジッタはセルサイズの10分の1程度に低減出来る様子が報告された。

  4. 「物理表現におけるマイクロからナノへのトレンド」  (富士通  三浦義正)
    今の磁気ストレージに限らない様々な高密度ストレージを目指した報告例を多数紹介頂き、新しい高密度記録へのトレンドを把握することが出来た。マイクロ磁区が発足した当時はミクロンからサブミクロンの磁区サイズが話題の中心であったが、現在はナノメータに近い磁区サイズを議論できるようになってきた。そこで、研究会名称改名に関する議論が盛り上がり、ナノマグネティックス専門研究会という名称が有力候補として挙げられた。
(NTT 黒川義昭、日立マクセル 粟野博之)