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磁気・光磁気記録(中・上級)

Question
Q1.
ハードディスクは磁界を加えると情報が消失するようですが、なぜそのような磁界に弱い材料を使う必要があるのですか?

Answer

Q 1
ハードディスクは磁界を加えると情報が消失するようですが、なぜそのような磁界に弱い材料を使う必要があるのですか?
A 1.

ハードディスクは、記録すべき情報に応じて磁界を反転させながら、磁気記録膜の磁化を反転させて記録しますので、強い磁界を与えると情報が消失します。しかしながら、ハードディスクの記録密度は、10年前に比べて1000倍、5年前に比べても30倍と、飛躍的に増加しています。 そのため、記録材料の磁性粒子もここ数年、飛躍的に小さくなっており、より小さい粒子を安定化させるために保磁力もどんどん大きくなっています。

下の図は、ヒステリシス曲線と言って、磁界に対する磁化の変化を表しますが、印加される磁界が記録膜の保磁力以上になると、磁化が反転します。 この保磁力は、現在では、∼4 kOe程度にまでなっています。ちなみに、通常使用される磁石やピップエレキバンなどはピッタリ付けても1∼2kOeまでです。 ハードディスクは、記録膜がむき出しではなく、かならず箱に入っていることもあり、そうそう簡単に予期せぬ磁界によって情報が消えることはありません。 これからも更に記録密度が向上すると思いますが、ますます磁化反転に大きなエネルギが必要になってきます。
今では、将来に向けた対策として、記録するためにどうやって強い磁界を発生させるかが、研究課題の一つとなっています。

そんなわけで、特別に強力な磁石を、故意に近づけたりしない限り、データは消えることはないでしょう。どうぞ、安心してご使用ください。 ただし、現在では使われることは少なくなりましたが、同じ磁気記録でも、フロッピーディスクは、保磁力が数百Oeと、磁界に弱いので気をつけてください。磁気カードも同様です。

ヒステリシス曲線:磁界に対する磁化の変化を表している

回答作成:平成16年度MSJ企画委員会