14.07

分野:
磁気物理
タイトル:
磁性流体シンポジウム-第7回宇宙環境利用に関する公募地上研究テーマ「磁場制御による磁性流体の微小重力下における自然対流の解明」-が開催される
概要:
 同志社大学、福島大学および秋田県立大学の共同研究により,財団法人日本宇宙フォーラム(JSF)より助成を受けて推進している,磁性流体に関する研究テーマについて、その研究成果の発表と、この研究に関連する磁性流体について、その分野の第一線で活躍している研究者を交えた講演が行われた。
本文:
 同志社大学、福島大学および秋田県立大学は共同で磁性流体に関するテーマを研究している。このテーマは、第7回宇宙環境利用に関する公募地上研究に採択され、平成16~17年度にかけて財団法人日本宇宙フォーラム(JSF)より助成を受けているものである。
本シンポジウムでは、この研究成果の発表と、この研究に関連する磁性流体について、その分野の第一線で活躍している研究者による講演が,平成17年8月9日(火),福島大学にて行われた。これを通して、福島大学の教員と学生に対して、宇宙開発と、それに関連する磁性流体について、それらの学術的な雰囲気に親しみながら、最先端の科学の知識を教育面において深めるとともに、研究面においても学際的な研究に関する啓蒙が深められた。さらに、このJSF公募研究の成果発表と議論も行われた。
磁性流体は,磁場に反応する機能性流体の一つであり,1960年代にNASAのパペル博士により開発された,比較的新しい流体である。この磁性流体に温度場と磁場を与えることにより,エネルギーを取り出すことができる,次世代型の新しいエネルギー機関の作動流体として注目されている。この磁性流体を使った新しいエネルギー機関を宇宙において利用することは,以前から提案されてきていたが,同志社大学、福島大学および秋田県立大学は共同で,このテーマに取り組んできており,さらに,財団法人日本宇宙フォーラム(JSF)からの支援を受けてきている。
その宇宙での実用化に向けた研究成果は,今後の宇宙での実験に移行する前の重要な基礎段階と位置付けられている。また,将来,人類の宇宙利用の際に重要な宇宙でのエネルギー供給を解決するものとして期待されている。さらに,現在,建設中の宇宙ステーションにおける実験暴露部での宇宙実験が行われる日も遠くは無いと期待されている。

(福島大学 島田邦雄)