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第1回ナノマグネティックス専門研究会 報告
日 時: 2003年4月25日(金) 13:15〜17:00
場 所:シブヤ・ネクサス4F A-room(東京都渋谷区)
参加者:約35名

講演内容:
  1. 「垂直磁気記録媒体の磁気クラスタサイズと高密度化」
        (島津武仁、及川忠昭、稲葉祐樹、村岡裕明、中村慶久 (東北大)

      CoPtCr-SiO2垂直磁気記録媒体媒体を用いた実験の結果、熱的活性化粒径の大きさが同程度であっても、粒間の交換相互作用等の違いにより磁気クラスタ径は大きく異なることが示された。また、磁気クラスタ径Dclusterと膜厚 δ の比の低下にともなって磁化曲線の傾き α の値が低下することが報告された。

  2. "Structural design of normalized slope of M-H loops and coercive force for perpendicular recording media"
        (中村 敦、原 美紀、五十嵐万壽和、杉田 愃 (日立、東北工大)

      LLGシミュレーションにより検討した結果、垂直磁気記録媒体の磁化曲線の傾きは、粒間の交換相互作用の強さと共に、膜厚と粒径の比、粒間距離などに依存して大きく変化することが示され、200 Gbpsiの記録密度を達成するために必要なこれらの構造および磁気特性について議論がなされた。

  3. 「反平行結合フリー層の磁化反転挙動」
        (猪俣浩一郎、手束展規 (東北大)

      Ru中間層を用いたSFM(Synthetic Ferri-Magnetism)構造をMRAM素子に導入した結果、素子サイズの低下によるスイッチング磁界の増加を防げられることが示された。また、同素子のCPP-GMRが5倍以上の高い値を示し、これは、CoFeとRu界面の大きなスピン依存散乱に起因することが述べられた。

  4. 「CPP-GMR膜を用いたスピン注入磁化反転の実証」
        (屋上公二郎 (ソニー)

      100nmオーダーの微細素子(CPP-GMR膜を用いたスピンフィルター)を作製し、電流方向によって平行状態、反平行状態どちらにも磁化回転が可能となるスピン注入磁化反転を確認した。また、条件によってはスピン波励起による現象も確認され、理論と実験がよく一致することを示した。
 マイクロ磁区専門研究会からの名称変更により、今回が初回の研究会となったナノマグネティックス専門研究会では、磁気記録ならびに関係する物性についての最近のトピックスについて4人の方に講演していただいた。35名が参加し、活発なディスカッションの場となった。

(ソニー 大森広之、 東北大 島津武仁)