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第73回マイクロ磁区専門研究会
日 時:2001年6月22日(金) 13時15分〜16時30分
場 所:航空会館
参加者:30名

プログラム

1. 「スピンバルブ膜を用いたCPP素子のGMR特性」
瀬山 喜彦、長坂 恵一、清水 豊、田中 厚志(富士通)
2. 「CALPHAD法によるCo-Cr基合金の磁気誘起2相分離の予測」
及川勝成(産業技術総合研究所)
北上修,島田寛(東北大,多元物質科学研究所)
深道和明,石田清仁(東北大,工学研究科)
3. 「垂直媒体記録特性への交換相互作用の影響」
宮下 英一(NHK)
4. 「磁性ナノ構造の作製とプレーナ型強磁性トンネル接合への応用」
竹村泰司(横浜国立大学大学院工学研究院)
白樫淳一(秋田県立大学システム科学技術学部)


1. 瀬山氏からスピンバルブ素子に垂直に電流を流して用いるCPPスピンバルブ素 子についての報告があった。CPPスピンバルブ素子は抵抗、抵抗変化率とも小さい が、デュアルスピンバルブ構造とすることで変化率が増加し、フリー層とピン層、Cu 層のみの抵抗で換算するとΔR=40%と大きな値を示すことが報告された。酸化層を作 ったスペキュラーでは変化率が21倍になる。これは、酸化層の効果は多重散乱よりも ピンホールによる電流の絞り込みの効果が大きいとの結論が示された。

2. 及川氏より実験データから原子間に働く相互作用を用いて、状態図を計算するCAL PHAD法についての報告があった。CALPHAD法パラメータがあればどんな多元系でも計算 可能で、磁気的作用を入れることでCo-Cr系に起こる磁性非磁性分離も計算可能である ことが報告された。Co-Cr-Xで各元素の状態を計算すると良く知られたところではPt、 Geは偏析を弱め、Taは強めることを計算で求められていた。

3. 宮下 氏より垂直記録の計算に関する報告があった。相互作用や分散を変えて記録 状態やS/Nを計算、相互作用が増えると出力は、はじめ増えてその後一定になり、ノイ ズが増え続けるので、S/Nはいったん増えてその後減少するので、わずかに相互作用が あった方がS/Nは良くなることが報告された。

4. 竹村氏よりパターニングしたストライプにAFMを使って電流を流して、酸化物を形 成しトンネル接合を作る方法の報告があった。まだ、酸化層の厚さなどの再現性は乏 しいが、室温で動作する単電子トランジスタを作るのに最も有効な方法で、素子材料 を今までのNbからNiにして磁気的効果を実験。低温でcoulomb blockadeができ、スピ ン依存動作し、通常の強磁性トンネル素子に比べスピン依存散乱の効果が2乗できい てくるので大きなMR効果が得られることが報告された。
(ソニー 大森広之)